総合科学技術・イノベーション会議
令和2年1月23日、安倍総理は、総理大臣官邸で第48回総合科学技術・イノベーション会議を開催しました。
会議では、研究力強化・若手研究者支援総合パッケージ、革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)終了時評価及びムーンショット型研究開発制度の目標設定等、科学技術・イノベーション創出に係る制度改革の方針について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「本日、若手研究者に対する新しい支援パッケージを決定いたしました。科学技術立国・日本の未来は、これからの若い力にかかっていると言っても過言ではありません。博士を目指す全ての学生が、生活面での心配をすることなく研究に打ち込めるよう、奨学金などの支援を大幅に拡充します。グローバル化が進む時代にあって、海外で研鑽(けんさん)する機会も、大胆に充実してまいります。大学における資金配分も見直し、若手に思い切って重点化します。今後5年かけて、若手研究者向けの安定的なポストを5,000人分以上増やします。さらに、若手研究者を煩雑なペーパーワークから解放し、最長10年間、自由な発想で挑戦的な研究に取り組める新しい研究制度を創設する考えであります。本日決定したパッケージの下、あらゆる政策を総動員して、若い皆さんが、将来に夢や希望を持って、研究の道に飛び込むことができる。そのための環境づくりを、一気に進めてまいります。
世界のイノベーションは、ますます加速しています。本日も、サイボーグ技術や人工光合成について報告いただきましたが、少し前までは、夢でしかなかった技術が、すさまじいスピードで、現実のものとなろうとしていることを実感しています。今月、世界の叡智(えいち)を結集し、ゼロエミッション国際共同研究センターを我が国に設置いたしますが、気候変動のみならず、超高齢化など人類が直面する課題の解決に向け、本日決定した6つの野心的な目標の実現を目指して、ムーンショット研究を力強く進めてまいります。
もはや、あらゆる分野において、グローバルな競争を第一において考えるべき時代です。次世代暗号などの基盤となる量子技術についても、世界に向かってしっかりと旗を立てる。海外からトップ研究者、トップ企業を集める、一大拠点を整備する考えであります。イノベーションに関する規制・制度の在り方も、当然、国際標準に照らして、柔軟性の高いものへ改革を進めていく必要があります。
本年は、半世紀ぶりに、我が国でオリンピック・パラリンピックが開催されます。この節目となる2020年に検討が進められる、第6期科学技術基本計画については、次の50年、60年を見据えながら、新しい時代も、日本がイノベーション大国であり続けるための基礎を築くものとしなければなりません。竹本大臣を中心に、萩生田(はぎうだ)大臣、梶山(かじやま)大臣など関係大臣は、引き続き一丸となって、そのための政策の具体化に取り組んでください。」