JF全国代表者集会
令和元年11月22日、安倍総理は、都内で行われたJF(漁業協同組合)全国代表者集会に出席しました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「全国から多くの皆様が参加される中で、JF全国代表者集会が開催されますことを、心からお喜び申し上げます。
先の台風15号や台風19号は漁港や漁協の施設などに大きな災害をもたらしました。被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
政府においては生活と生業(なりわい)の再建に向けた対策パッケージを取りまとめ、その実行のための第1弾として1,300億円を上回る予備費の使用を決定しました。その上で、補正予算を編成し被災地の復旧復興を切れ目なく支援してまいります。
四方を海に囲まれ豊かな漁場を有する日本では、古くから盛んに漁業が営まれ沿岸の津々浦々に美しい漁村が形成されてまいりました。私の地元、下関も正に水産都市でありまして、私の父親の安倍晋太郎(しんたろう)は、自民党の役職として、一番最初に就いた重要な役職は水産部会長であったわけでありますが、沿岸漁業や遠洋漁業の人々でにぎわい近代捕鯨発祥の地として、また下関ふくの産地として我が国ならではの食文化に寄与してまいりました。
しかしながら、かつて世界一を誇った我が国の漁業生産量は、いまやピークの半分以下にまで減少しました。安倍内閣では、大切なこの漁業を何とかしなければならないという強い危機感の下、水産政策の改革に取り組んでまいりました。
その目指すところは、水産業の収益性と、そして資源の持続的利用を両立させ漁業者の皆さんの所得向上を図ることであります。今回の改革に対する皆様の不安や懸念にもしっかりと向き合い、その声を真摯に伺いながらその実現に向けて着実に政策を進めてまいります。
同時に3,000億円を上回る予算で新しい漁船や漁具の導入など浜の皆さんの生産性向上への取組も力強く支援してまいります。
世界の水産物市場は拡大を続けています。これは、我が国水産業にとって大きなチャンスとなります。日本の人口は残念ながら減少していきますが、正に世界の人口は増えていく中にあって水産市場が拡大している。このチャンスを捉えなければならないわけであります。
今国会で、農林水産物の輸出を加速するための新たな法律が成立しました。各国の輸入規制緩和に向けた働きかけを、オールジャパンで進め、我が国の安全でおいしい水産物を世界中に売り込んでまいります。
資源管理や生産性向上に、自ら先頭に立つ。輸出など新たな挑戦に、果敢に取り組む。こうした漁協のリーダーシップが、浜に活力と、そして活気を与えます。かつて世界一を誇った日本の漁業を、皆さんと共に、新しい令和の時代に復活させようではありませんか。
今日は正にこの会場、大漁旗に囲まれているわけでありますが、正に浜の皆さんの収入が大漁となるように、我々は正にそのための改革を進めていきたい、浜の皆さんの収入が、所得が増えていく、そのための改革をしっかりと進めていく考えであります。
結びに、岸会長始め、御列席の皆様の御健勝をお祈りするとともに、本日の集会が活気あふれる漁業・漁村の実現の契機となりますことを大いに期待いたしまして私の御挨拶とさせていただきたいと思います。本日は御盛会まことにおめでとうございました。」