世界海上保安機関長官級会合に係るフェアウェルレセプション
令和元年11月21日、安倍総理は、都内で行われた第2回世界海上保安機関長官級会合に係るフェアウェルレセプションに出席しました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「世界各国の海上保安機関の長官を始め、数多くの関係機関の皆様の御参加を得て、前回会合を大きく上回る規模で2回目の会合が我が国でこのように開催されたことを大変うれしく思います。
海は古来より交易、交流の場として国同士をつなぎ、あらゆる地に豊かな恵みをもたらしてきた人類の繁栄の礎であります。この海において、法の支配の下、自由で開かれた秩序を維持することは我々に共通する利益であります。昨今、気候変動による自然災害の大規模化やテロや過激主義がグローバルな脅威となるなど国際情勢が激変しています。このような地球規模の変化はこの美しく豊かな海にも大きな影響を与えています。
今回の会合は、こうした課題に対して世界の保安機関がしっかりと連携して対処していくことを確認するなど、大変有意義なものであったと思います。海上における最前線で日夜活躍する海上保安機関を率いる皆様の強力なリーダーシップと平和で豊かな海を守り抜くという揺るぎない信念を持っていればいかなる荒波も越えていける。そう確信しております。
日本では、この5月に今上陛下が御即位され令和の時代を迎えました。この新元号は日本最古の歌集である万葉集の梅の花の歌から引用されたものであります。日本の海上保安庁の徽章(きしょう)は梅であります。梅の花は厳しい冬の寒さを耐え忍び百花に先んじて花を開き、かぐわしい香りを放ち、実を結び、絶えず人々の身近にあって寄り添ってくれます。絶え間のない緊張感の下、忍耐強く命懸けで海の安全を守る、そうした皆様の姿と梅の花の在りようは、重なるものがあると思っています。
世界各国の海上保安機関の協力が盤石なものとなり、その下で平和で豊かな海となる、そんな新しい時代を皆さんが切り拓(ひら)いていただくことを期待いたしまして、私の御挨拶とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。」