「桜を見る会」(3)及び北海道大学教授の解放についての会見

令和元年11月15日
会見する安倍総理 会見する安倍総理
会見する安倍総理

 令和元年11月15日、安倍総理は、総理大臣官邸で会見を行いました。

 総理は、「桜を見る会」について、次のように述べました。

「まず『桜を見る会』についてお答えいたします。『桜を見る会』の前日に行われた夕食会について、様々な報道がございましたので、事務所から詳細について、今日報告を受けました。
 既に申し上げたとおり、同夕食会含めて、旅費、宿泊費等の全ての費用は参加者の自己負担で支払われております。安倍事務所なり、安倍晋三後援会としての収入・支出は一切ございません。このことを改めて確認いたしました。
 その際、少し細かくなるんですが、申し上げますと、旅費、宿泊費につきましては、各参加者がそれぞれ旅行代理店に支払いし、夕食会費用につきましては夕食会場の入口の受付にて、安倍事務所職員が一人5,000円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受付終了後に、集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で、参加者からホテル側への支払いがなされた、ということであります。
 なお、夕食会の価格設定が安過ぎるのではないかという指摘がございます。そういう報道もありますが、参加者一人5,000円という会費については、これは正に大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情等を踏まえ、ホテル側が設定した価格である、との報告を受けております。以上、以前既に行った国会での私の説明を、正確に補足させていただいたところでございます。」

「参加者の在り方については、既に国会で答弁させていただいておりますし、また、先般官房長官がお答えさせていただいているところでございますが、内閣府・内閣官房で取りまとめを行っているということであります。その際に、与党や、あるいは内閣官房では、総理、私、副総理、そして官房長官、官房副長官からの推薦を、長年の慣行で受けていたということでございまして、その中で、私の事務所も対応していたということであります。」

「今回、長年の慣行ではありますが、今申し上げましたように与党、あるいはそれぞれが推薦する、内閣官房においては総理、副総理、官房長官、副長官が推薦する。これは長年の慣行で行われてきたところでありますが、基準が曖昧ではないか、プロセスが不透明ではないか、という御指摘がありました。
 長年の慣行とはいえ、また、私自身におきましても年数を経るごとにだんだん人数が多くなってきたということもあり、そのことは反省しなければならないと思っています。その上において、見直しを行うという決定をしたというところでございます。」

「今回の様々な御指摘を頂き、それを踏まえてどう開催するかということを決定していきたいと、こう思っております。」

「大体今お答えをしたことがほとんど全てではないのかなと思っております。」

「国会のことですから、国会がお決めになることだろうと、こう思っています。その上で政府としては、国会から求められれば、説明責任を果たすのは当然のことだろうと、こう思っております。」

「全ての人ではございませんが、これはおそらくホテル側はそう考えておられるんだろうと思いますが、言わばどのような対応をしていくかというのは、その時の、また相手側が例えば毎年使っているとか、どれくらいの規模であるとか、あるいは宿泊しておられるかと、そういうことを総合的に勘案して値段を決めていかれるということなんだろうと思います。
 ただもちろん、ホテルとしては他のホテルとの競合もありますし、たくさんのお客様との関係もございますから、そこのところは今私が申し上げた形で決めておられるということを、私の方から申し上げますが、ホテル側はいろんなことを勘案して決められているんだろうなと思います。先ほど申し上げましたように、ほとんどの方が宿泊をされているというのが事実でありますし、かなり多くの人数であったと、そして定期的に毎年行われているということもあるんだろうと思います。」

「いつも国会でやり取りをしていることですから、国会のことは国会で決めるというルールですね。そして同時に、国会から求められれば政府としての責任を果たしていくということがルールなんだろうと、こう思います。」

「今申し上げたのが、私の考えであります。」

「年数が重なる中において、新たな人数が増えていったということではないかと、こう思っています。
 そこを反省しながら、今回は中止し、そして見直しをするということであります。」

「それは私が申し上げることではないだろうと思います。」

「私総理大臣で、総理の職に全力投球しておりますから、入口で私が受付をするということは、もちろんありませんし、当然事務所がずっとやっているということであります。
 どういう手続きでやっているかということについて、詳細について聞いたということであります。私どもの事務所については当然公職選挙法に則って、今まで瑕疵(かし)なくやってまいりましたから信頼をしておりましたが、改めて詳細について確かめたということです。」

「いろんな方々が、叙勲を受けられた方々もおられますし、いろんな方々が、正に皆さんの会社のトップの方、幹部の方、あるいは報道機関のキャップの方等、たくさん来られてますね。そういう方々だけではなくて、やっぱり市井の方々もなるべく多く来られる。なかなか私自身、そう接触する機会がありませんから、そういう意味においても、今までおそらく推薦を与党にも出していたんだろうと、こういうふうに思います。
 そういう市井の方々の中にも、それぞれ地域で頑張っておられる方がたくさん居ますから、じゃあどういうふうに選ぶんだって、なかなか難しいところがあると思います。そういう中で、今までこういう方法が取られてきたんだろうと、こう思います。」

「私もそこは承知をしておりませんが、おそらくセキュリティの関係において、言わばどういう形でやっていたかというのは、聞いてみないと分からないのでありますが、どこかでチェックしていたのか、あるいは直接知っている事務所の者が確認しているものなので、そういうことだったのかもしれません。」

「昭和27年以来、ずっと続けて来られました。その間、消費税、何回か引上げられているわけでございますが、そういう間もずっと続いてきたということではないかと、こう思います。
 人数が何人なら良いのか、ということでもあろうと思います。党との関係、あるいは推薦できるということについても、これもずっと慣行として行われてきたことでありますから、そうした過去も踏まえて、今回見直しをするということにしたところでございます。」

「お金の出入りは一切ないわけですから、宿泊旅行については、それぞれが旅行代理店に直接払い込んでいる。そして前日のこの夕食会については、5,000円のホテルの領収書を出し、そして受け取り、すぐその後全額をホテルにお渡ししているということでありますから、全く問題ないと思います。」

「そういう指摘があることも踏まえて、先ほどもそういう指摘があったと思いますが、言わばずっとそうした形で、選定基準がどうだったかということに関する質問なんだろうと思います。ですが、選定基準も含めて今度は見直しをするということにしたところであります。」

「長期政権というのは、日々全力を尽くした結果なんだろうと思います。当然その上において、緩みが出ないか、自らに問いかけつつ、より緊張感を持って進んでいきたいと思います。」

「事務所から詳細な説明を、もう一度ちゃんとホテル側と話をさせて調べた結果についてお話をした方がいいだろうと、こう考えたところであります。」

「何をもって後援会活動か、ということでありますが、言わば後援会の皆さんが集まれば、それは広い意味での後援会活動なんだろうと。ですから、正式に規正法で定められた、言わば後援会活動におけるものと、実際の後援会活動というのは分けて考える必要があるんだろうと思いますが、広い意味で言えば、当然後援会活動なんだろうと、こう思います。」

「確かにそう思われている方もおられると思います。そういう観点から、やはり推薦する上において、知っている範囲で推薦することになるんだろうと思います。私だけではなくて、党もそうでしょうし、他の私や副総理や官房長官や副長官もそうなんですが、そういう観点から基準を見直そうということであります。もう一つ付け加えれば、やっぱり、たくさんそれぞれ地域において頑張っておられる方がいるんですね、市井の皆さん。そういう方々と接する機会でもあったのは事実なんだろうと。重ねて申し上げますが、いわゆるそれぞれ功を成し遂げた方々もいらっしゃいますが、皆様の会社の幹部のように、そういう方だけではなくて、様々な方を御招待をした方がいいんだろうと、そういう積み重ねだったんだろうと思いますが、その中で御指摘のような点もあったことに鑑み、反省しなければいけないことなんだろうと思います。」

「既に今申し上げましたように、相当これは最初からの慣行ですから、言わば実態を反映させたということなんだろうと思います。そうした実態になったということについては、今申し上げましたような、より多くの方々、いろんな方々に来ていただこうということだったんだろうと思います。その結果、やはり基準等に様々な曖昧ではないかという指摘が出てきたということ、それは受け止めなければいけないと、こういうことであります。」

「収支報告書への記載は、収支が発生して初めてそれは発生するんです。公職選挙法を見ていただければ明らかなんですが、それは政治資金規正法上、収支が発生して初めて記入義務が生じます。今申し上げましたように、交通費、宿泊費等について、直接代理店に支払っていれば、これは後援会に収支は発生しません。前夜祭についても、ホテルが領収書を出し、そしてそこで入ったお金をそのままホテルに渡していれば、収支は発生しないわけでありますから、政治資金規正法上の違反には全く当たらないということであります。その際、事務所の者がそこで受付をするということは、これは問題ないということでございます。」

「それは知っていました。
 報告は受けていません。政治資金規正法上問題ないということは、当然今まで事務所の様々な活動がそのようにやっておりますから。
 取りまとめというか、そうした形で来られる方々について代理店にお願いしてやっていたということは知っています。」

 また、北海道大学の岩谷將(のぶ)教授の解放について、次のように述べました。

「岩谷北海道大学教授が本日解放された件についてお答えいたしますが、政府としては、岩谷北海道大学教授が拘束されて以降、あらゆるレベルで早期帰国に向けて、働きかけを行ってまいりました。私自身、1日でも早く御家族の元に帰れるように、強く要請してきたところであります。
 その中で今般、岩谷教授が無事に帰国され、御家族の皆様と再会できたことは、本当に良かった、こう思っております。」

 最後に、「桜を見る会」について、次のように述べました。

「長年の慣行で推薦を行っていたということなんですね。その中で、そうした結果になってきた。そういうのの積み重ねだったんだろうと思います。ですから、そういう点も含めて、今回見直しを行ったということであります。」

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