総合科学技術・イノベーション会議
令和元年11月11日、安倍総理は、総理大臣官邸で第46回総合科学技術・イノベーション会議を開催しました。
会議では、基礎研究と若手研究者支援について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「本日は、ノーベル化学賞の受賞が決定した吉野名誉フェローに御参加いただきまして、改めて心からお喜びを申し上げたいと思います。
先生の研究は、世界中の人々の暮らしを一変させ、大変な豊かさをもたらしたものであり、同じ日本人として大変な誇りであります。本日は、先生から我が国の研究力強化に向けて、具体的なお話を伺いました。
吉野先生は、正に、民間企業において、すばらしい研究成果を挙げられたわけですが、大学・国研に加え、産業界も含めたオールジャパンでの研究人材の分厚さが日本の強みです。この強みを更に伸ばしていくためには、若手からトップ研究者に至るまで意欲ある研究者に魅力ある研究環境を提供していくことが極めて重要です。取り分け、我が国がこれからも未来にわたって世界トップレベルの研究力を持ち続けるためには、若手研究者への支援強化が何よりも重要です。若者が将来に夢や希望を持って、研究者の道へと飛び込んでいけるよう、大学・国研における若手研究者の研究環境を抜本的に改善する必要があります。
これまでの競争的資金の在り方を見直し、安定した環境の下、それぞれの若手研究者が自由な発想で挑戦的な研究に打ち込めるよう、ポストの確保、キャリアパスの確立、重点的な資金配分など、全般にわたる改革を進めてください。
第一線の研究者が広い世界の中で、最も良好な研究環境を求めていく時代にあって、国内外からトップ研究者を我が国に集めるためには、これまでのような大学・国研における待遇等の横並び意識は完全に脱却する必要があります。実績を積んだ研究者の皆さんには、積極的に外部資金を獲得するよう促すことと併せ、これを活用することで給与水準を自主的に引上げ、世界水準の待遇を提供できるよう、環境整備を進めてください。
産業界における研究水準の向上に向けて、大学・国研と民間企業の共同研究、オープンイノベーションの一層の活性化、大学発ベンチャー企業支援など、我が国の産業競争力強化の観点から、総合的な取組を進めてください。
以上の点について、竹本大臣を中心に萩生田大臣、梶山大臣など、関係大臣が一丸となって現在検討中の研究力強化、若手研究者支援総合パッケージに具体的かつ大胆な政策を盛り込んでください。」