自衛隊記念日レセプション
令和元年11月1日、安倍総理は、都内で開催された令和元年自衛隊記念日レセプションに出席しました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「日頃から、自衛隊を御支援いただいている多くの皆様、そして同盟国である在日米軍の皆様、また各国大使の皆様、また駐在武官の皆様。本日は、自衛隊記念日のレセプションにお越し頂きまして、誠にありがとうございます。自衛隊に対する常日頃からの御支援、御協力に、自衛隊の最高指揮官として厚く御礼を申し上げます。
自衛隊は、1954年の7月1日に創設されました。この1954年という年は、私にとっては忘れ得ぬ年でありまして、その2か月と21日後に生まれたのが、私であります。つまり、私と自衛隊は、65年という長い歳月を共に歩んできたわけであります。このような御縁もある自衛隊の記念日を、皆さんと共に祝えることを、心から嬉しく思います。真に、国民の自衛隊。それが、創設当時も、今も、揺るがぬ信念であります。
この崇高な理念の下、自衛隊は、65年の歩みを進めて参りました。我が国の領土、領海、領空を守り抜く意志を体現する、対領空侵犯措置は、2万8千回を超えています。災害派遣のために出動した回数は、4万回を超えています。
また、1992年のPKO(国連平和維持活動)法の成立以来、既に6万人を超える隊員たちが、40を超える国々で、国際社会の平和と安定のために、汗を流してきました。灼熱(しゃくねつ)のアデン湾で、世界経済の大動脈を守る海賊対処活動は、今年で派遣から10年を超え、これまでに4千隻を超える船を護衛し、そして、こうした数字には表れることのない、人知れぬ努力を着実に積み重ねてまいりました。
このPKO活動によって、自衛隊の皆さんのこの努力によって、世界から大きな評価を受けていることを大変うれしく思います。実はあの時、国会においては、大変な議論がなされ、多くの議員の反対もあったのは、皆さんの御承知のとおりであります。しかし、この反対した人々も、政権を取ったらPKO法にのっとり自衛隊を派遣し、感謝されているのも事実であります。それは正に、自衛隊の皆さんの努力の成果の証であろうと思います。
本年10月に甚大な被害をもたらした、台風19号や、低気圧の影響による大雨においても、自衛隊の諸官は、事前に万全の出動態勢を整え、災害発生に即応し、危険を顧みず、人命救助や、水上で孤立した住民の搬送、道路啓開に当たってくれました。そして、今、この瞬間も、数多くの隊員諸官が、心を込めて生活支援を行ってくれています。
こうした地道な活動を通じ、自衛隊は、国民から揺るがぬ信頼を寄せられる組織に成長してきました。今や、自衛隊に対する国民の支持は、9割に上り、我々政治家にとっては9割の支持というのは、信じがたい数字でもありますが、我が国において信頼できる公的機関として、自衛隊の名前が真っ先に挙がるようになりました。
この場を借りて、歴代の隊員の献身的な努力に敬意を表するとともに、全ての自衛隊員とお支えいただいている家族の皆様、そして、常に自衛隊の活動に御理解と御助力をいただいている本日お集まりの皆様に、心から感謝申し上げたいと思います。
令和の時代も、自衛隊が、国民の命と平和な暮らしを守り抜き、国際社会の平和と安定に貢献するという使命を、見事に果たしてくれることを私は確信しています。皆様の更なる御支援、御協力をお願い申し上げます。
自衛隊の皆さんは国民と共に様々な困難を乗り越えてまいりました。これからもそうだろうと思います。これから更に、自衛隊の諸官が活躍していくことを、そして、地域や日本や世界がより平和になることを祈念いたしまして、私のお祝いの御挨拶とさせていただきたいと思います。」