令和元年台風第19号非常災害対策本部会議(第8回)
令和元年10月18日、安倍総理は、総理大臣官邸で令和元年台風第19号非常災害対策本部会議(第8回)に出席しました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「被災地では、生活再建、生業(なりわい)の再建に向け、その基盤となるインフラの復旧を急いでいます。関係各位の御尽力により、停電は一部の浸水地域を除き、おおむね解消されたほか、中央道が明日から全線で通行可能となるとともに、北陸新幹線も25日に全線で運転が再開されることとなりました。引き続き、一歩一歩確実に復旧を進めてください。
被災者の皆様に、一刻も早く避難所での不自由な生活から脱していただくことは、極めて重要であります。災害救助法を適用し、避難された方々に対し、ホテルや旅館の部屋を二次避難所として活用する取組が長野県で開始されています。また、被災者に対する応急的な住まいとして、公営住宅、UR賃貸住宅、国家公務員宿舎等を本日までに約4,700戸確保しており、順次被災者への提供を開始しているところです。
昨日、福島県及び宮城県の被災現場を訪れた際、膨大な量の稲わら等が散乱し、堆積している状況を目の当たりにしました。宮城県からの要望も踏まえ、早速農林水産省及び環境省が連携して、稲わら等の処理スキームを構築し、切れ目なく支援することといたしました。
各位にあっては被災地の声を聞き取り、引き続き柔軟かつ迅速な支援策の樹立に努めてください。
台風19号による災害については、激甚災害の迅速な指定に向けて調査を進めておりましたが、今般、被害額が基準に達し、指定の見込みとなりました。具体的には、全国を対象に道路や河川、農地、農林水産業、共同利用施設等の災害復旧事業についての補助率のかさ上げ等や、中小企業の災害関係保証についての特例措置を適用します。その他の分野についても、調査を加速させてまいります。
また、要望のあった79の被災自治体に対する総額約310億円の普通交付税の繰上げ交付を本日決定いたしました。被災自治体が財政面に不安なく、迅速な災害復旧に取り組んでいただけるよう、引き続き全力を尽くしてまいります。
被災地では、週末の大雨に備え、自衛隊も協力し、長野県千曲川(ちくまがわ)や栃木県荒井川などにおいて、土のうを積み上げる作業を実施しております。さらに、二次災害を防止するため、排水ポンプ車を事前に配備するとともに、避難勧告や避難指示の発令を促すための基準となる水位を通常よりも低く設定するなど、住民の安全確保を徹底してまいります。被災地の皆様におかれましては、二次災害の危険がありますので、自治体等からの情報に十分注意し、油断することなく早めの避難行動を心がけてください。」