令和元年台風第19号非常災害対策本部会議(第7回)
令和元年10月17日、安倍総理は、総理大臣官邸で令和元年台風第19号非常災害対策本部会議(第7回)に出席しました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「本日、武田防災大臣と共に福島県及び宮城県の被災現場を訪れ、阿武隈(あぶくま)川、吉田川の氾濫やそれに伴う広範囲にわたる浸水、土砂災害といった今般の台風がもらたしたすさまじい被害の爪痕を目の当たりにしてまいりました。また、避難所では不安で困難なときを過ごされておられる被災者の方々から、大変つらいお気持ちや冷え込みも厳しい中での御苦労、そして今後の生活に向けた要望について直接お伺いいたしました。被災地の方々はもとより、それを支える自治体職員やボランティアの姿に接するとき、国としても被災者の方々のためにできることは全て行う、この気持ちを新たにしたところであります。
時々刻々と変化する現場のニーズを迅速に拾い上げ、即時に対応してください。
本日訪問した福島でも、また宮城でも、被災者の皆さんが泥にまみれた家具等の処理に追われていました。既に道路沿いにたくさんの廃棄物が積まれており、更に週末に向けては膨大な量の排出が見込まれます。他方、マイカーも浸水し、被災者自らが災害廃棄物を仮置き場に持って行くことができないケースも想定されます。
災害廃棄物、土砂等の放置により住民の生活環境に影響を与えることを防ぐため、自衛隊による廃棄物の除去等を進めます。既に人員1,400名、重機及び大型車両90両の体制で被災地での作業を開始しつつありますが、更に被災自治体のニーズを踏まえ、体制を強化していきます。さらに全国の自治体・関係団体の支援を得て、ごみの収集車両を全国から70台規模で確保し、順次被災地に展開しています。また、ごみ焼却場が浸水などによる被害を受けている地域もあることから、環境省を中心に広域での処理協力も先手先手で進めてください。加えて被災者の権利を守り、生活再建に向けた取組を後押しするため、今般の災害を特定非常災害に指定することを、明日、閣議決定いたします。これにより、自動車運転免許の更新ができない方の有効期間の延長などが可能になるほか、民事調停法による調停にかかる手数料が免除されます。併せて被災時に生じる様々な法律問題を無料で相談できる制度を適用できるようにいたします。
被災地では、今夜から明後日にかけて再び大雨が予想されています。二次災害への十分な警戒を呼びかけるとともに、復旧の加速化が重要であります。復旧・復興活動や、り災証明の事務など、被災自治体の支援等に当たるため、政府の被災者支援チームの職員354人、20道県市からの自治体職員133名が派遣され、今も活動を行っています。
各位にあっては引き続き現場主義を徹底し、被災者の生活の再建に向けて全力で取り組むようにお願いします。」