未来投資会議
令和元年10月3日、安倍総理は、総理大臣官邸で第31回未来投資会議を開催しました。
会議では、企業内部の経営資源の新たな分野への投資の促進、デジタル市場のルール整備と将来の規制の精緻化について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「明日から、いよいよ国会が始まりますが、第200回の国会ということになるわけであります。第200回にふさわしい、未来を見つめた議論をしていきたいと、政府としてしっかりと対応していきたいと、国会の皆さんには頑張って議論していただきたいとこう思っているところであります。
本日はまず、新たな分野への投資促進について、議論を行いました。アベノミクスの成果として、例えば、家計部門における現預金についても、112兆円増えて、979兆円となったわけでありますが、企業においても、先ほど、櫻田さんから内部留保についての分析もございましたが、現預金が50兆円増加し、240兆円になっているのも事実でございました。そういう現預金が50兆円の増加をしている中で、いかにして、新たな分野の研究開発など長期的視点に立った投資に回していくかが、我が国の将来の命運を左右すると思います。やる気のある既存企業がスタートアップ企業をM&Aする場合や、共同研究を行いやすくするため、支援策やルールづくりなど環境整備を図ります。新興国企業との連携も促進します。これらの取組により、独自の新製品・新サービスの開発を促し、マークアップ率の向上を図りたいと考えます。西村経済再生担当大臣を中心に関係閣僚の協力をお願いします。中小企業については、大企業との取引構造の更なる分析を深め、共に成長できる取引ルールの在り方を示したいと考えています。全世代型社会保障改革でも、厚生年金の適用拡大などを進めるため、中小企業の生産性向上支援策の整備は不可欠です。菅原経済産業大臣を中心に、検討を進めていただきたいと思います。これらについては、年末に中間報告を取りまとめます。来年夏までに、新たな実行計画を閣議決定したいと考えています。
次に、第4次産業革命時代の規制改革について、議論を行いました。AIによるビックデータ分析の進展などにより、画一的な方法によらない規制制度を構築できる可能性が広がっています。このため、モビリティ、金融、建築の3分野を中心に、中長期的な観点から、将来の規制像の在り方の検討を開始することにします。本会議に、専門の会合を設置し、そして西村経済再生担当大臣を中心に、麻生金融担当大臣、そして、赤羽国土交通大臣はしっかりと協力していただき、検討を進めていただきたいと思います。」