第3回野口英世アフリカ賞授賞式及び記念晩餐会
令和元年8月30日、天皇皇后両陛下御臨席の下、安倍総理は都内で開催された第3回野口英世アフリカ賞授賞式及び記念晩餐(ばんさん)会に出席しました。
総理は式辞で次のように述べました
「天皇皇后両陛下、アフリカ各国首脳、そして御列席の皆様、本日は、第3回野口英世アフリカ賞授賞式に御参列いただき、誠にありがとうございます。
まず、ムエンベ博士及びオマスワ博士、受賞、誠におめでとうございます。御家族や関係者の皆様にも、心からの祝意を表します。
日本人なら誰もが知っている野口英世博士は、幼少の時に囲炉裏(いろり)に落ち、左手に大火傷を負いましたが、その後、医師の道を志し、苦学の末に世界的な細菌学者となりました。そして、黄熱病に苦しむ人々を救おうとアフリカに赴き、最後は、自身も黄熱病の犠牲となり、現地で命を落としました。
野口英世博士にちなむ、この賞は、アフリカにおける医学研究や医療活動の分野で顕著な功績を挙げられた方々を顕彰することを通じ、アフリカひいては人類全体の保健と福祉の向上を図ることを目的としています。
先ほど、黒川委員長から詳しい説明があった通り、本日、受賞されたムエンベ博士は、エボラウィルスの発見とその治療に関する研究に、そしてオマスワ博士は、深刻な不足に直面する医療人材の育成及び保健システムの構築に、目覚ましい功績を挙げられました。
両博士は、果敢なフロンティア精神と人類愛を体現される、まさに野口英世アフリカ賞を受賞されるに相応しい方々です。
我が国は、医学研究やユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進等、保健分野の取組において国際社会をリードしてきました。
そして日本政府は、今回のTICAD7で、ヘルスケア分野でアフリカ諸国が自ら保健産業の育成を促進できるようアフリカ健康構想を打ち出しました。
また、我が国は、今般、コンゴ民主共和国における現下のエボラ出血熱流行に対し、緊急支援を決定しました。
私は、この賞を通じて、野口英世博士の精神が世界に一層広がり、国際社会の資金と人材がアフリカにおける医学研究や保健対策に一層注がれることを願ってやみません。
これまでは6年に一度、この賞を授賞してきましたが、今後は、この考えの下に、3年に一度、野口英世アフリカ賞を授賞することにいたします。
最後に、ムエンベ博士とオマスワ博士の偉大な功績に対して、改めて心からの敬意と祝意を表し、私の式辞とさせていただきたいと思います。本日は本当におめでとうございました。ありがとうございました。」