令和元年沖縄全戦没者追悼式
令和元年6月23日、安倍総理は、沖縄県で行われた令和元年沖縄全戦没者追悼式に出席しました。
総理は、まず、国立沖縄戦没者墓苑で献花を行った後、平和祈念公園で行われた追悼式の中で、正午の時報に合わせて全戦没者に1分間の黙とうをささげました。その後、献花を行い、挨拶を述べました。最後に、島守の塔に献花を行いました。
献花後、普天間飛行場の辺野古への移転、沖縄の基地負担の軽減についての記者からの質問に対し、総理は次のように述べました。
「沖縄の皆様には、戦後70年を経た今なお大きな負担を担っていただいております。一日も早くこの状況を変えてもらいたいというのが沖縄の皆様のお気持ちなんだろうと思います。その思いにおいては、私たちも全く同じであり、基地負担の軽減は政府の大きな責務であります。沖縄の皆様の思いを真摯に受け止め、これからも基地負担の軽減に全力を尽くしてまいりたいと、こう考えています。学校や住宅で囲まれた世界で最も危険と言われる普天間基地の固定化により、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければなりません。そのことについての認識は沖縄の皆様と共有していると思います。辺野古(へのこ)への移設は基地を増やすものではありません。普天間飛行場の3つの機能のうち、1つに絞って辺野古に移します。残りの2つの機能については県外に移すことになりました。また、飛行経路が住宅の上空から海上に移ることによって、住宅防音が必要な1万数千世帯はゼロになります。一日も早い普天間飛行場の全面返還に向けて皆様の御理解を得つつ、全力で取り組んでいきたいと考えています。
また、SACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意以降、沖縄における米軍基地は約2割が返還されました。そして、計画の内容については常に日米で確認、検証しながら進めています。特に普天間飛行場の全面返還の方針については、トランプ大統領と確認しているところであります。米国と合意した計画が全て実現すれば沖縄の復帰前の状態と比べて、その状況と比べれば約半分が返還されることになるわけでありまして、今後、日米合意に基づいて一つ一つ結果を出していきたいと考えています。」
また、沖縄戦の歴史の継承、沖縄振興計画等についての記者からの質問に対し、総理は次のように述べました。
「先の大戦における沖縄の方々の痛ましい犠牲、筆舌に尽くしがたい困難な歴史の上に今日私たちが享受している平和と繁栄がある。このことを決して忘れてはならないと思います。歴史を風化させず、次の世代に継承していかなければなりません。沖縄における歴史継承の取組について、政府としてもしっかりと支援してまいります。
そして、沖縄においては今やアジアから日本へのゲートウェイとして観光業を中心に大きく発展を遂げつつあります。昨年度は、沖縄への観光客の数は1000万人に達しました。そしてオリンピック・パラリンピックを控え、那覇空港第2滑走路の年度内供用開始を予定しています。更なる発展が見込まれるわけでありますが、こうした中で有効求人倍率は沖縄県において1倍を超えました。そして、若い皆さんの失業率も全体においては改善しているところでありますが、今後若い方々に光を当てる取組を進め、そして沖縄県の経済成長、県民所得の向上に向けて政府としても戦略的に力強く後押しをしていく考えであります。」