第5回日本ベンチャー大賞表彰式
令和元年5月23日、安倍総理は、総理大臣官邸で第5回日本ベンチャー大賞表彰式に出席しました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「日本ベンチャー大賞を受賞された皆様、誠におめでとうございます。
たった今皆様の展示をあそこで拝見させていただきましたが、いずれも新しい時代の幕開けを予感させるものばかりでありました。
どこか外出している間に、ロボットが勝手に家の中を片付けてくれる。もしかしたらこの中にも子供のときに、整理整頓しなさいと親から注意されていた方々もおられるのではないかと思いますが、そうした心配も今後もしかしたらなくなるかもしれないと、夢のような技術だと思います。
人工知能、ロボットそしてIoT。第四次産業革命とも呼ばれる革新的なイノベーションによって、物流も農業も、そして、モビリティもあらゆる分野で革新的な変化が正に今生まれようとしています。ここに未来があると思います。ベンチャー企業の皆さんのお話を伺いながらそのことを実感いたしました。
今月から新しい令和の時代がスタートしました。振り返りますと平成が始まった頃はポケベル全盛の時代でありました。そもそもポケベルという単語すら知らないという方もここにはいらっしゃるかもしれません。そして、携帯電話はかばんほどの大きさのショルダーフォンを皆が抱えていたわけでございますが、私が父の安倍晋太郎の秘書をしているときに、当時の中曽根総理が父や宮澤さんや竹下さんと一緒に軽井沢でゴルフをしたんですが、秘書官たちがリュックサックみたいな電話のバッテリー等々を抱えていざというときに備えていたわけでございますが、本当に大きな変化があったなとこう思っています。それが今やスマホとなり、30年前のスパコンに匹敵するほどの機器が、一人一人のポケットに収まっています。インターネットやSNSも発達し、小学生の将来なりたい職業のトップ10にユーチューバーがランクインする時代となっています。
平成の30年で私たちの暮らしは劇的な変化を遂げました。そして、令和の時代にあっても世の中の変化のスピードは一層加速していくことは間違いないと思います。そうした時代に求められているもの、それはこれまでの常識にとらわれない豊かな発想力と、そして、そのアイデアをしっかりと形にしていく果敢な行動力であります。おそらく皆さんの世界にも、そういうことを私も考えていたよ、という人がたくさんいるかもしれませんが、それを実際に果敢に行動に移していくかどうか、これは極めて重要でありますが、正に皆さんはそれを果敢にリスクを取って行動に移してこられたんだろうとこう思います。正にベンチャー精神こそが新しい時代を切り拓(ひら)く鍵であります。私はそう確信しています。政府としてもベンチャーならではの機動的な経営が可能となるよう、ストックオプション税制の拡充や特許のスーパー早期審査の導入などを行ってまいりましたが、これからも起業家の皆さんが未来に向けたチャレンジを安倍内閣として力強く後押しをしてまいります。
本日受賞された皆様には、どうかこれからもどんどん新しいものを生み出していっていただきたいと思います。そして、後に続く起業家たちに対して、大いに活躍する姿を見せていただき、勇気を与えていただきたいと思います。
本日は本当におめでとうございました。」