中途採用・経験者採用協議会
平成31年4月16日、安倍総理は、総理大臣官邸で第2回中途採用・経験者採用協議会に出席しました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「本日は、中小企業、そしてベンチャー企業の経営者の皆様にお集まりいただき、第2回中途採用・経験者採用協議会を開催させていただきました。
本当はもっと皆さんに多くの時間を割いて、しゃべっていただきたかったのですが、1分間という限られた時間の中で、非常に手際良くプレゼンテーションをしていただきまして、本当に私たちにも刺激があるいい話を伺えたと思っています。この我々政権を担っている6年間で日本の生産年齢人口が約500万人減少したのでございますが、しかし、名目GDPはその6年間で11パーセント以上成長することができた。生産年齢人口が減少するというのは、成長には極めて大きなマイナス要因であるわけでありますが、なぜ成長できたかと言えば、一つの大きな理由は、約280万人の女性が新たに仕事に就いたということであります。その結果、M字カーブも大分解消されました。同時に、60歳を超えて、あるいは65歳を超えても、意欲ある人が働き続けることができる環境等が整いつつある中において、高齢者の皆さんが職を新たに得る、あるいは継続的な雇用が続いていく、ということが可能になった結果であろうと思うわけでございますが、しかしそれを可能としたのはやはり皆さんのような、先進的な経営者の皆さんの努力があったからこそ、そうしたことが実現でき、正に成長できた。ただ単に成長できたということだけではなくて、人生100年社会を見据えれば、より豊かな人生を様々なライフステージで選択でき、より豊かな人生が可能になっていくということであろうと思います。
今後とも、ライフステージの変化に応じて、働き方や働く場所を柔軟に選択でき、何度でも再チャレンジできる社会を構築していくことが求められています。そのためには、中途採用、そして経験者採用の拡大が不可欠であります。前回の大企業においては、中途採用・経験者採用は、採用全体の4割にすぎませんでしたが、中小企業・ベンチャー企業では、既に採用全体の7割以上を占めているということです。
本日、中小企業・ベンチャー企業が更にこのような採用を拡大していくための御提案をいただきました。また御要望もいただいたところでございますが、まず、定年退職制度を廃止し、高齢者であってもやる気のある人材を正社員として採用する。そして、子連れ出勤、テレワークなどの柔軟な働き方の導入、といった実例でございます。特に、複数の声がありましたのは、大企業や大都市からのスキル・ノウハウの移転や中小企業の人材不足解消のため、大企業における兼業解禁を更に進めるべきとの御意見もございました。この点については、政府としても、人生100年時代を迎え、兼業を進めていきたいと考えており、次回の未来投資会議の場でも議論を行い、この夏の成長戦略の決定において、検討の方向性を示したいと思っています。この兼業を進めていくというのは正に、それぞれの皆さんの選択であり、意欲であり、かつより多くの新たな可能性を求めたいという人たちが、その道に進んでいくことができるようにするためのものでありまして、決して私たちが兼業を強制するものではないということは、申し添えておきたい、このように思います。
この会議の共同事務局長を務める、根本大臣と世耕大臣におかれては、具体的な検討を開始してください。
また、本日は、中小企業団体、そして大学や地方銀行といった支援機関にも御参加をいただきました。本日の議論を踏まえ、中途採用・経験者採用の拡大に向けて、共に協力していきたいと思いますので皆様今後ともどうぞよろしくお願いいたします。本日は本当にありがとうございました。」