総合科学技術・イノベーション会議
平成30年12月20日、安倍総理は、総理大臣官邸で第41回総合科学技術・イノベーション会議を開催しました。
会議では、大学改革、AI及びムーンショット型研究開発制度の基本的考え方(案)について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「大学改革を本格的に実行する段階にきました。
まず、年俸制の完全導入に向けて、基本給も含めた厳格な業績評価など、人事給与改革を確実に進めます。さらに、研究者の流動性を高めるための方策について検討します。
また、来年度から、国立大学の運営交付金の約1割を対象に、若手研究者比率や民間資金の獲得状況など、客観的で比較可能な共通指標を中心に、改革の実績に応じた配分とすることで、経営改革に取り組む大学を支援します。この改革を更に推し進め、戦略的・計画的な経営改革が行われるよう、第4期中期目標期間において、運営費交付金全体の配分方法の見直しを実現します。
加えて、次期通常国会に法案を提出し、国立大学法人の統合による1法人複数大学化を可能とするとともに、新たに策定される大学ガバナンスコードの下、経営と教学の機能分担を進め、戦略的な経営資源の獲得と配分ができる組織へと、大学改革を力強く後押ししていきます。
AIについては、国家間の競争が激しさを増す中で、未来を見据えた国家戦略を策定することが急務です。まず何よりも、人材育成が最大のポイントです。世界に通用するグローバルトップのAI人材を育成するとともに、文系・理系を問わず、全ての人がAIリテラシーを身に着ける社会を実現する、との大きな目標に向かって、小・中・高校や大学教育、さらには、リカレント教育に至るまで、教育システム全般にわたる、大胆かつ具体的な制度改革を盛り込むよう、関係大臣は、戦略の具体化を進めてください。
同時に、今後AIが発展していく方向性を見定めながら、人間中心の原則を始め、AI利活用の基本原則を打ち立て、日本として、今後の国際的な議論をリードしていく考えです。
菅官房長官、平井大臣を中心に、関係大臣は、こうした方針の下で、我が国初のAI国家戦略の来年の夏の策定に向け、政府一体となって取り組んでください。」