女性が輝く先進企業表彰表彰式
平成30年12月17日、安倍総理は、総理大臣官邸で女性が輝く先進企業表彰表彰式に出席しました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「本日は、女性が輝く先進企業表彰の受賞、誠におめでとうございます。
この表彰も今年で5回目となり、認知度もだんだん上がってまいりました。昨年受賞されたある企業では、女性活躍が進んでいることが学生に評価され、採用における女性応募者が増え、優秀な女性社員を多数獲得できたと伺っております。
消費者の半分は女性です。それどころか、日常的な買物について言えば、女性が意思決定する家庭がなんと74パーセントに上るそうであります。家庭における男性の地位がいかに弱いかを物語る大変厳しい数字ではありますが、これが現実でもあります。
ですから、女性が求める商品やサービスの開発、女性の感性をいかしたマーケティングは、企業においては死活的な課題と言ってもいいんだろうと、こう思います。そして、優秀な女性人材こそが競争力の源泉であり、その確保は企業の人事戦略、成長戦略のど真ん中を占める時代であります。
埼玉りそな銀行さんが、自社だけにとどまることなく、取引先企業にも女性活躍の取組を促しておられることは、極めて先進的な取組であるだけではなく、地元企業の成長を通じ、金融機関としての本業にもメリットのある、正に経済合理的な取組と言ってもいいと思います。日本経済全体にとっても、女性の活躍こそが新しい成長の鍵となる。その強い意識の下、安倍内閣は発足以来、女性活躍の旗を高く掲げ、保育の受皿整備や育児休業給付の充実などに取り組んでまいりました。その結果、この5年間で女性の就業者は200万人増加し、女性就業率は25歳以上全ての世代において、あのアメリカを上回るまでになりました。かねて指摘されていたM字カーブの問題も劇的な改善を示しています。
逆から言えば、今や優秀な女性人材をめぐる獲得競争が激しさを増しています。ですから、企業の皆さんに申し上げたい。優秀な女性人材が欲しければ、これからは女性が働きやすい環境づくりに向けて、これまで以上のもう一段の取組が必要となる時代へと、もはや移りつつあります。
昨日、『西郷(せご)どん』が最終回を迎えましたが、明治維新胎動の地である鹿児島から来られた新日本科学さんは、明治の近代化を牽引(けんいん)したその先進性で、現場の女性たちの声をいかし、女性特有の健康問題への取組など、次々と新しいチャレンジを行っておられます。
本日受賞された皆さんは、正に女性活躍のフロントランナーであります。これからもそれぞれの地域において、また日本全体において、モデルとなる先進企業として、女性活躍の知恵をどんどん広げていただきたいと思います。そして、日本経済のこれからの成長を牽引していただきたいと願っています。女性が輝く社会の実現に向けて、皆様のますますの御活躍、御発展を祈念いたしまして、私のお祝いの言葉とさせていただきたいと思います。おめでとうございました。」