政府与党連絡会議
平成30年12月11日、安倍総理は、総理大臣官邸で政府与党連絡会議に出席しました。
総理は、冒頭の挨拶で次のように述べました。
「昨日、臨時国会が閉会いたしました。今国会では、一連の災害からの復旧・復興を進めるための補正予算を始め、外国人材を受け入れるための新たな在留資格を創設する入管法改正法、EU(欧州連合)との経済連携協定、70年ぶりとなる漁業法の抜本改正など、政府が新たに提出した法案・条約が全て成立いたしました。与党の皆様の御協力に改めて深く御礼申し上げます。今後、与党における議論、国会における議論も十分に踏まえながら、施行に向けた準備をしっかりと進めてまいります。特に、外国人材の受入れ拡大については、全国的な人手不足の中、優秀な外国人材の皆様にもっと日本で活躍していただくために必要な制度でありますが、国会における様々な御議論も十分に踏まえながら、技能実習制度を含め、制度の構築・運用に万全を期してまいります。
2025年国際博覧会の開催国に、日本が選ばれました。与党の皆様の地元も含めた献身的な活動が実を結んだ結果であり、改めて感謝いたします。64年の五輪、70年の大阪万博の際、私はまだ子供でありましたが、日本の明るい未来への予感に心躍らせたことを覚えております。20年のオリンピック・パラリンピック、25年の万博を、我が国の次の時代を切り開く大きな力としていかなければなりません。ここからが本番であり、引き続き、皆様のお力も借りながら、オールジャパンの態勢で、全力で取り組んでいきたいと思います。
先日のアルゼンチンでのG20サミットの終了を受け、我が国が初めてG20議長国に就任しました。そして、来年6月28日、29日に、G20大阪サミットを開催します。大阪サミットは、我が国で行われる史上最大の首脳会議となります。自由貿易の推進やイノベーションを通じて世界経済の成長をけん引するとともに、気候変動問題や海洋プラスチックごみ問題、人間の安全保障を始めとする地球規模課題への貢献を通じて、包摂的かつ持続可能な人間中心の未来社会の実現を目標に掲げ、取組を推進していきたいと考えています。
サミットに加えて、様々な分野の閣僚会議が全国8都市で開催されます。世界各国から数多くの代表団やジャーナリストが集まるこの機会に、与党の御協力も頂きながら、それぞれの開催地ならではのあふれる魅力を、日本のおもてなしの精神とともに、世界に向けてアピールしたいと思います。
昨日公表された7−9月期のGDP(国内総生産)は、自然災害などの影響もありマイナス成長となりましたが、我が国の経済は、雇用・所得環境が着実に改善するなど、景気は緩やかに回復しているとの認識に変わりはありません。他方、来年に消費税率引上げを控える中で、世界経済の動向など先行きに十分目配りし、経済の回復基調をしっかりと持続させる必要があります。そのため、先月、第2次補正予算の編成を指示したところです。また、来年度当初予算には、十二分な消費税対策を盛り込む考えです。更に、幼児教育の無償化、防災・減災、国土強靱化、農林水産業、中小・小規模事業者対策など様々な分野にしっかりと対応していかなければなりません。税制改正も、大詰めを迎えています。いずれも、与党における御議論・御審議なくしては仕上げることができないものです。景気への懸念を払拭し、さらには新しい成長軌道を生み出すために、取りまとめに向け、皆様の特段の御理解・御協力をお願いします。
来年は皇位の継承など、我が国にとって歴史的な一年となります。政府与党が一体となって、我が国の輝かしい未来を切り開いていく。そのような一年にしたいと考えておりますので、皆様の引き続きの御協力をよろしくお願いいたします。」