年末エコノミスト懇親会
平成30年12月5日、安倍総理は、都内で開催された年末エコノミスト懇親会に出席しました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「この会に出ますと、いよいよ今年も終わりだなという、今年も終わりという表現よりも年の瀬だなというふうに言った方がいいかもしれませんが、いよいよもう平成30年もあと僅かになってまいりました。
私はちょうど昨日、ブエノスアイレス、そしてウルグアイ、パラグアイを回って帰ってきたばかりでございますので、時差がまだ激しく残っておりまして、時差が激しく残っている中において明日は法務委員会に2時間出て、ややこしい質問を受けるという状況でございますが、ウルグアイ、パラグアイ共に、日本の総理大臣としては初めて訪問したところでございまして、日系人の皆様、私は大体南米の国に行くと必ず日系人の皆さんとお目にかかるわけでございますが、ウルグアイでは450名ぐらいしか実は日系人の方はおられないのですが、80年前に移民が始まり、しかし、450名しかいないのに80人ぐらい日系人の方、集まっていただいたわけでありまして、パラグアイもたくさんの皆さんが集まっていただきました。外務省から、とにかく日本の総理大臣としては2つの国に初めて足を踏み入れるという説明を受けていたんですが、実は1、2週間前にある日系人の方が、私の祖父がブエノスアイレスからリオか、リオからブエノスアイレスに行く途中、飛行機を乗り換えてウルグアイに降り立って、そのとき一緒に写真を撮った人がその写真を持って大使館を訪れたということで、その方ももう90歳を超えてる方なんですが、来ていただきまして、写真も見せていただいたわけでありますが、外務省の説明によりますと、公式の訪問は私が初めてということだそうでございますが、ということで昨日帰ってきたところでございます。
今年は、エコノミストの皆さんが来年の相場を恐らく予測されて多くの皆様が外れるんだろうと思いますが、今年は相場の格言で戌(いぬ)笑うという年であったわけでありますが、平昌(ピョンチャン)オリンピックに始まって、米朝首脳会談、そして世界経済がこういう状況になりましたが、本当に乱高下の年であったんだろうと、なかなか当てるのは難しかったのではないかと、こう思います。来年は、相場の格言では、来年亥(いのしし)年なんですが、亥(い)固まるということだそうなんですね。笑って次は固まる。固まるというのはいい方に向けて。凍り付くという意味ではないんですね。次にがんと、こう伸びていくために、一旦身を固まるというふうに私は理解しているわけでありまして、実際来年は、日本が議長を務めるG20がございます。ラグビーのワールドカップもありますし、アフリカの国々がやって来るTICAD(アフリカ開発会議)もございます。そしてなんと言っても、天皇陛下が御退位されて皇太子殿下が御即位になると、いよいよ平成も終わりを告げて新しい時代が始まる年になるわけでございまして、同時にもう一つの大きな出来事としては、消費税の引上げでございます。よく上げるのか上げないのかという、これは法律に書いてありますから、基本的には法律に従って、山口代表も笑っておられますが、我々連立与党としては、茂木経済財政政策担当大臣も、やや苦笑いでありますが、しっかりこれに今対応する経済政策をつくっております。
恐らく来年も取りあえず米中においては貿易戦争、この国境措置のかけ合いが、90日間はこの停戦状況にはなったわけでございますが、しかし来年またその90日が切れるわけでございまして、これにしっかりと対応していく必要は当然ありますが、しかし、国際経済の状況に左右されない強い経済をつくっていきたいと、こう思います。そのために今までも2次補正の説明を受けていたわけでございますが、やっぱり補正でありますから、緊急に必要なもの、しっかりとしたものをちゃんとつくっていきたいと思いますし、来年の補正予算についてもそうであります。この消費税の引上げの衝撃をしっかりと跳ね返すものをつくっていきたい、財政政策もしっかりとやっていきますし、前に日銀の総裁もおられますが、頑張って日本銀行と一緒になって物価安定目標を達成するという目標がございますよね。それに向けてしっかりとやっていきたい。
だんだん足腰は強くなっておりまして、例えば最低賃金も安倍政権が登場いたしまして15円上がり、16円上がり、次は17円と思わせておいて、そういう歌がありましたよね。15、16、17と。15、16と来て、次は18、そして、昨年はなんと26円。これは時給で統計を取り始めて以来、初めて最高の額を上げました。今後も3%以上、しっかりと最低賃金を引き上げる状況をつくっていきたいと思いますが、同時に、今年の冬のボーナスは95万円。随分上げていただきました。これはやっぱり、人間は波に乗ることが大切ですから、波に乗るためにはいつもいつも申し上げて、昨年はこの会に来ておりませんから、昨年の分もお願いして、来年の4月、思い切ってやっぱり賃上げして、こればっかしずっと言い始めてから6年間、しっかりとやっていただければ、小林さんも大きくうなずいておられましたから、これをしっかりと上げていけば、消費も出てくるし経済の好循環も回っていくことは間違いないんだろうと。そしてその後は、再来年は東京オリンピックがあります。そしてその先には、激しい戦いだったんですが、大阪の万博を私たち勝ち取ることができました。正に1964年に東京オリンピック、70年の大阪万博、あのパターンにややはまってきた。あのとき私はまだ、東京オリンピック、10歳でありましたが、日本てすごいな、子供の体、若い体に力を感じるという気持ちであったわけでありますが、正に日本中の若い人たちがその体に誇りと力を感じるような、来年以降にしていきたいと、こう思っているところでございます。
そのためにも、どうせ皆さん、予測をするんだったら明るい予測をしていただきたいと、こう思っております。来年はTPP11(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)、CPTPPが発効します。現在、日EUのEPA(経済連携協定)についても、国会で議論していただいておりますが、EU側もございますが、早期発効をしていく。正に日本が世界経済、自由貿易をリードしていくという立場に、日本は来年立っていくんだろうと、こう思うところでございまして、是非、来年をいい年にしたいと、このように思います。
来年が皆様にとりまして、輝ける年となりますことを心からお祈り申し上げまして、そして、安倍政権にとっても、与党にとってというそういう小さいことを言わず、日本にとっていい年になりますことを心から祈念いたしまして御挨拶とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。」