全国町村長大会
平成30年11月28日、安倍総理は、都内で開催された全国町村長大会に出席しました。
安倍総理は、冒頭の挨拶で次のように述べました。
「全国町村長大会が、本日、盛大に開催されますことを、心からお慶(よろこ)び申し上げます。私の地元山口県の皆様が、この目の前の特等席に座っておられます。事務局の皆様の御配慮に御礼を申し上げたいと、こう思います。大変プレッシャーを感じているところでございますが。町村長の皆様には、日頃から地方自治の最前線で、地域社会の発展や住民福祉の向上に尽力されていることに、心から敬意を表します。
美しく伝統のあるふるさとを守り、次の世代に引き渡していく。そのためには、地方にこそチャンスがあると若者たちが考え、飛び込んでいくことができる、魅力ある地方をつくり上げることが大切であります。清流・四万十川の中流域、四万十町は、若者を始めとする人口流出に悩まされる町村の一つですが、16名の地域おこし協力隊員が、炭焼き職人の見習い、椎茸(しいたけ)栽培、青少年サッカーの指導などのミッションに取り組み、地域の盛り上げ役として生き生きと活躍しています。OBの7割がそのまま定住し、町内で起業したりしています。新しい発想を持つ方々と地域の方々の融合が、地方に新しい活力を生み出す。こうした流れが全国で巻き起こるよう、地域おこし協力隊の拡充を始め、若者のUターン、Iターン、Jターンを力強く支援していく考えであります。
また、町村の皆様が守り育んでこられた、豊かな自然、特色あるふるさと名物など、その地方ならではの魅力を最大限に引き出していくため、地方の情熱、独自の創意工夫に対し、地方創生推進交付金1,000億円を活用することなどにより、全力で後押ししてまいります。
この夏は、大阪北部地震、西日本7月豪雨、台風21号及び北海道胆振(いぶり)東部地震など、自然災害が相次ぎ、各地に甚大な被害をもたらしました。今国会で成立した補正予算により、災害復旧を加速し、子供たちの命を守るブロック塀の安全対策、全国の公立小・中学校へのエアコン設置による熱中症対策など、最優先で対応してまいります。さらに、安心できるまちづくりを進めるため、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策を年内に取りまとめ、3年間で集中的に実施します。このうち速やかに着手すべきものについて2次補正予算に盛り込むよう、先週、指示したところであります。
そして、我が国が直面する最大の課題は少子高齢化です。この課題に真正面から立ち向かい、子供から現役世代、お年寄りまで、全ての世代が安心できる社会保障制度へと、今後3年かけて改革を進めてまいります。
町村長の皆様におかれましては、今後とも、地域のリーダーとして先頭に立ち、町村の発展に遺憾なく力を発揮されますことに期待申し上げますとともに、国が進める諸政策への御理解、御協力を改めてお願い申し上げます。
結びに、全国町村会のますますの御発展と、本日御列席の皆様の一層の御活躍、地方の更なる発展を祈念いたしまして、私の御挨拶とさせていただきます。本日は御盛会、誠におめでとうございました。」