自衛隊記念日レセプション
平成30年11月1日、安倍総理は、都内で開催された平成30年度自衛隊記念日レセプションに出席しました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「日頃から、自衛隊を御支援いただいている多くの皆様、同盟国である在日米軍の皆様、そして各国大使や駐在武官の皆様。本日は、自衛隊記念日のレセプションにお越しいただき、本当にありがとうございます。自衛隊に対する常日頃からの御支援、御協力に、自衛隊の最高指揮官として、厚く御礼を申し上げます。
自衛隊は、1954年7月1日に創設されました。この年に私は生まれましたので。自衛隊は少し私よりもお兄さんではありますが、私と自衛隊は、共に同じ歳月を歩んできたわけであり、毎年、自衛隊記念日には、私にとって本当に大変感慨深いものがあります。
7月生まれなのに11月1日が記念日。それはなぜか。夏から秋にかけて台風などの自然災害が多く、その上、当時は国土も脆弱(ぜいじゃく)で被害も甚大でした。このため国民の保護に全力を挙げるため、記念日を遅らせたのです。真に国民のための自衛隊たれ。それが当時も今も、自衛隊の揺るがぬ信念であります。
実際、今日までに自衛隊の災害救援活動は、既に4万回を超えています。この夏も度重なる大規模災害が日本列島を襲いましたが、隊員たちは、助けを求める国民のもとに直ちに駆け付け、2,300人以上の命を救いました。私も5回にわたり全国の被災地を視察しましたが、いずれの現場でも、士気高く献身的に任務に当たる自衛隊員たちの姿がありました。
もちろん災害対応だけではありません。国民の命と平和な暮らし、そして日本の領土・領海・領空を守り抜くため、自衛隊は創立から64年間、24時間、365日、この瞬間も、強い責任感と誇りを胸に秘め、士気高く任務に当たっています。
さらには世界の平和と安定のためにも大きく貢献しています。遠く灼熱(しゃくねつ)のアフリカ大陸で、ソマリア沖・アデン湾で、そして、広大なインド太平洋地域で、多くの隊員たちが、汗を流しています。
『つねに国民の心を自己の心とし、一身の利害を越えて公につくす』。半世紀を超えて受け継がれるこの『自衛官の心がまえ』の精神を実践し、国民の負託に全力で応える諸君を、私は大変頼もしく、誇りに思います。
今や国民の9割が、自衛隊に対して良い印象を持っていると答えています。また公的な機関の信頼度調査では、日本で最も信頼されている公的機関は自衛隊であります。いつもこの調査を紹介させていただいておりますが、残念ながら一番信頼されていないのは国会議員ということでございますので、今日出席されている議員諸君と共に、もっと頑張っていきたいと思います。
この国民の揺るぎない信頼は、ひとえに歴代の隊員による献身的な努力の賜物(たまもの)であり、この場を借りて、歴代の全ての自衛隊員と、隊員を支えていただいた御家族に、心から感謝申し上げたいと思います。
今後とも自衛隊は、必ずや日本国民の、そして世界の期待に応えていくものと確信しております。皆様の更なる御支援そして御協力をお願いいたします。
それでは最後に、御列席の皆様の御健勝と、そして自衛隊が世界の平和と繁栄に大いに貢献していくことを祈念いたしまして、私の御挨拶とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。」