「平成30年北海道胆振東部地震及び平成30年台風第21号に関する関係閣僚会議」及び「観光戦略実行推進会議」合同会議
平成30年9月28日、安倍総理は、総理大臣官邸で「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震及び平成30年台風第21号に関する関係閣僚会議」及び「第24回観光戦略実行推進会議」合同会議に出席しました。
会議では、非常時の外国人旅行者の安全・安心確保のための緊急対策(案)について議論が行われた後、被害状況等について報告が行われ、その後、各省庁の対応状況、支援策及び台風第24号について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「始めに、今般の一連の災害の教訓を踏まえ、非常時における外国人旅行者の安全・安心を確保するための緊急対策を本日決定いたしました。24時間多言語コールセンター、新幹線における車内英語放送の充実、空港における中国語・韓国語に対応可能な職員の配置などを速やかに実施いたします。2020年に外国人旅行者数を4,000万人とする目標の達成に向け、安全・安心な日本を改めて海外に向けて発信してまいります。
北海道胆振東部地震の発災から3週間が経過しました。この間、関係者の御努力により、ライフラインの復旧は、着実に進んでまいりましたが、いまだ多くの方が困難な生活を強いられています。また、北海道全体で国内外からの観光客が減少し、観光業に多大な影響を与えています。被災地の生活再建や生業(なりわい)の再建に向けた歩みを力強く後押しすべく、政府として全力で取り組んでいかなければなりません。
そのため、本日、今般の地震による災害を激甚災害に指定するとともに、被災地のニーズ等を踏まえ、緊急に対応すべき施策を取りまとめました。具体的には、被災者の方々の応急仮設住宅の確保や、山腹崩壊による河川閉塞への緊急対応。酪農を始めとする農林漁業者の一日も早い経営再建の支援や、中小企業・小規模事業者に寄り添った支援。外国人旅行者への情報提供体制の強化に併せ、北海道全域で、10月1日より旅行・宿泊料金を最大7割まで補助する北海道ふっこう割の開始。電力需要が高まる冬に向け、電力インフラの緊急点検も踏まえた対策の取りまとめや、自家用発電設備を備えた拠点の整備などを実施してまいります。
台風19号、20号、21号による一連の災害についても、本日、激甚災害に指定するとともに、台風第21号による暴風被害等からの復旧・復興についても支援策を取りまとめました。具体的には、関西国際空港について、関係省庁と空港運営会社等の緊密な連携による、ターミナル施設のスピーディーな完全復旧と、損傷した連絡橋の復旧に向けた取組。観光需要の早期回復に向けた、地域の魅力と正確な情報のSNSやメディア等による発信や、航空会社等によるプロモーションの支援。神戸港を始め、港湾施設の迅速な復旧による、早期の港湾機能の回復。中小企業・小規模事業者に寄り添った支援や、農林漁業者の一日も早い経営再建の支援などを実施してまいります。
これらのうち、北海道ふっこう割などについては、予備費153億円を措置します。本日、閣議決定します。各位にあっては、被災者の皆様が前を向いて生活再建、そして生業の再建に取り組めるよう、スピード感を持って、本支援策を実行に移してください。
現在、台風第24号が、非常に強い勢力で日本に接近しており、政府として警戒態勢を強化しました。各位にあっては、台風第21号の経験を踏まえ、自治体や関係機関と緊密に連携し、被害の発生を極力防ぐよう、一体となって対応に当たってください。国民の皆様におかれましては、事前の備えを進め、早めの避難を心掛けるなど、命を守る行動をとっていただくよう、お願いいたします。」