東方経済フォーラム出席等 -4日目-
平成30年9月13日(現地時間)、第4回東方経済フォーラム出席等のためロシア連邦のウラジオストクを訪問している安倍総理は、日本企業関係者等との懇談を行い、その後、日本人抑留中死亡者慰霊碑を訪問しました。
総理は、日本企業関係者等との懇談の挨拶で次のように述べました。
「ロシアとのビジネスや交流に取り組まれている日本の企業、大学の関係者の皆様、昨年に続き東方経済フォーラムに御出席いただき、そしてこの場でお目にかかれることをうれしく思います。
私は2年前、このフォーラムの全体会合で8項目の協力プランの進捗を毎年ウラジオストクで確認しようとプーチン大統領に提案しました。皆様の積極的な取組と御尽力によって、紙から形へという、協力プランの具体化は着実に進んでおります。毎年確認しようと申し上げましたから、次の年、進んでいなかったらどうしようと、思ったんですが、本当に皆様の御尽力によって着実に進み、成果が出て、ロシア側、プーチン大統領を始め、ロシア側にも十分に認められていると、こう思うわけでございます。
ウラジオストクに限っても、昨年末、この都市の将来像を提示しました。具体的事業も着々と進んでいます。5月に日揮と北斗病院が開院したリハビリセンターは、人手が足りなくなるほどの人気を博していると伺っています。ヴォロネジで効果を実証したスマート信号も設置され、政府の適切な交通行政と組み合わされば、ウラジオストクの渋滞も緩和すると期待しております。10日の首脳会談でも、協力プランの進捗状況について、プーチン大統領と確認したところであります。
今回のフォーラムに合わせて、租税条約の公文交換を行い、来月10日に発効することになります。政府としては、日露関係、日露の経済関係に更なる弾みをつけるために、ビジネス環境整備に努めていきたい、こう思っております。
一昨年、長門(ながと)でプーチン大統領と首脳会談を行い、私たちのアプローチとして、70年間残念ながら領土問題交渉が進まず、よって平和条約が締結できないまま、70年経ってしまったわけであります。70年経った現在、この問題を解決していく上においては、両国の国民の理解が進んでいく、環境が整備されていくことが大切であり、お互いに猜疑心(さいぎしん)の殻を打ち破って一歩前に進んでいくという決意をしたところでございまして、四島の共同経済活動もそうでございますが、8項目の提案というのは日本とロシアが協力すればこういう大きな成果を生み、人々の生活が豊かになっていくという認識をお互いに持ち合うことによって、大きく平和条約の問題についても前進させていきたい。こういう決意で、進めてきたところでございますが、皆様方に御協力を頂いていることに対しまして、改めて感謝を申し上げたいと思います。
本日は、皆様から、ロシアとのビジネスや交流における、取組や計画、ロシア側への要望等を伺うことができればと思いますので、よろしくお願い申し上げます。」