平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震に関する関係閣僚会議
平成30年9月7日、安倍総理は、総理大臣官邸で平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震に関する関係閣僚会議を開催しました。
総理は、冒頭の挨拶で次のように述べました。
「今回の地震による甚大な被害に際し、被災地では態勢を増強し、自衛隊の2万4,000人を始め、現在、約4万人の救助部隊の諸君が、24時間態勢にて、安否不明者の捜索に全力で当たっています。
電力供給については、北海道電力に加え、他の発電事業者も含めて、稼働可能な発電所を総動員するとともに、道内企業の自家発電による協力、本州からの融通など、あらゆる手段を尽くしてまいりました。その結果、明日中には最大360万キロワット程度の供給力を確保し、配電設備などが地震によって損傷した一部地域を除き、北海道全域において停電が解消される見込みとなりました。
しかし、道内最大の火力発電所である苫東厚真(とまとうあつま)が復旧するまで、需要ぎりぎりの綱渡りの供給体制が続くこととなります。これまでの実績を踏まえれば、週明けの平日には電力需要が上振れする可能性も高く、また供給面でも、古い火力発電所でトラブルなどが発生した場合には、供給力が減少するリスクもあります。そうした中でも、しっかりと北海道の皆様に電力を供給し続けるためには、政府と北海道電力においても、更なる供給力の積み上げに努力するとともに、道民の皆様にも、最大限の節電をお願いする必要があります。
停電解消後、再び停電といった事態に陥ることのないよう、関係省庁が一体となって、至急、実効的な対策を取りまとめてください。
電力の復旧に伴って、断水が随所で解消されているほか、順次、交通インフラの復旧も進み始めています。本日、北海道新幹線に加え、札幌と新千歳空港を結ぶ快速エアポート等が運航を再開しました。新千歳空港では、本日の国内線の一部再開に続き、明日は大部分の国内線が再開し、国際線についても、明朝から全便で運航を再開する予定です。引き続き、インフラの早期復旧に努めてまいります。
いまだ多くの被災者の方々が、避難所等で困難な生活を強いられています。政府においては、本日設置した、関係省庁によるプッシュ型支援調整会議を中心に、強力に支援を進めてまいります。被災者の皆様全員に、十分な量の水・食料が行き渡るよう、今後必要となる物資を、本日中に自衛隊入間基地へ搬入し、自衛隊の輸送力を活用して、自治体の指定する集積拠点へ届けます。併せて、北海道内にある物資が、避難所及びスーパー等に確実に行き渡るよう、自衛隊・警察が連携し、トラック業界等の関係機関の協力を得て、しっかり対応してまいります。各位にあっては、被災市町村等と連携の下、現場主義を徹底し、被災地の応急復旧対策に引き続き全力を尽くしてください。
被災地では、明朝にかけてまとまった雨が降る見込みです。住民の皆様におかれましては、引き続き警戒を続け、命を守る行動を心掛けてください。」