平成30年7月豪雨非常災害対策本部会議(第16回)
平成30年8月2日、安倍総理は、総理大臣官邸で平成30年7月豪雨非常災害対策本部会議(第16回)に出席しました。
総理は、広島県の湯崎英彦知事、岡山県の伊原木(いばらぎ)隆太知事、愛媛県の中村時広知事から、要望書を受け取りました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「ただ今、湯崎広島県知事、伊原木岡山県知事、中村愛媛県知事から、今般の豪雨による被害の状況、そして御要望についてお話を伺いました。
改めて、今回の豪雨によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、そして被災された全ての方々に、お見舞い申し上げたいと思います。
また、3知事を始め、発災以来、応急復旧等で本当に懸命に対応に当たっていただいた皆様、全ての関係者の皆様の御尽力に、心から敬意を表したいと思います。
発災から間もなく1か月となりますが、いまだ11名の方が行方不明です。引き続き、捜索活動を徹底してまいります。また、道路、水道等のインフラの復旧や、大量に発生した災害廃棄物の処理等は、関係者の御努力により、着実に進んできておりますが、被災地では今もなお、猛暑や異例の台風が襲来する中、多くの方が不安なお気持ちの中で困難な避難生活を強いられております。
特に、生業(なりわい)の再建への先の見えない不安は深刻であります。私も農家の皆さんから、また商店街の方々から、悲壮な思いを直接伺いました。被災された農林漁業者、中小・小規模事業者の方々の再建に向けた歩みを、政府として力強く後押しすべく、全力を挙げて支援をしてまいります。
そのため、被災者生活支援チームの下で、関係省庁が知恵を出し合い、今般、被災地の生活再建と生業の再建に向けた支援パッケージを取りまとめました。
予備費を活用して、1,000億円規模の対策を直ちに実行に移してまいります。
具体的には、まちなかの土砂等の迅速な撤去、特にがれき処理についての熊本地震並みの財政支援、住居が全壊した世帯等に対する被災者生活再建支援金の支給、被災された中小企業の事業継続に向けたグループ補助金による最大4分の3補助や、個別の事業者に対しても幅広く支援する持続化補助金等、寄り添い型支援の創設、被災された農林漁業者の方々の営農維持、一日も早い経営再開のために、かんきつの植え替えに掛かる経費、10アール当たり23万円の支援等の総合的な対策、さらには、観光業の風評被害に対して、夏休みシーズンの旅行について宿泊料金の割引1人1泊当たり最大6,000円の支援など、3県の知事から頂戴した要望にしっかり応える緊急対策といたしました。
これらの対策を直ちに実施する観点から、総額1,058億円の予備費を措置できるよう財務大臣に取りまとめていただき、明日、閣議決定いたします。
今後とも、本パッケージに基づいて、スピード感を持って、随時、必要な措置を実行に移してまいります。
政府としては、被災者の皆様が希望を持って前を向いて再建に取り組むことができるよう、そして、被災自治体が財源に不安なく安心して復旧・復興に取り組めるよう、県を始め、被災自治体と一体となって、被災地の復旧・復興に全力を尽くしていく考えでございます。今後とも皆様と連携を取りながら、被災された皆様が明日に希望を持てるような、そういう施策を実行してまいりたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。」