安全保障と防衛力に関する懇談会
平成30年8月29日、安倍総理は、総理大臣官邸で第1回安全保障と防衛力に関する懇談会を開催しました。
安倍総理は、冒頭の挨拶で次のように述べました。
「三村座長を始め、有識者の皆様におかれましては、お忙しい中安全保障と防衛力に関する懇談会への参加を急遽いただいたことを、厚く御礼申し上げたいと思います。
私は総理就任以来、安全保障政策の立て直しを進めてまいりました。国民の命、平和な暮らしを守り抜くことが政府の最も重要な責務であります。そして、安全保障政策の根幹となるのは自らが行う継続的な努力であります。立ち止まるわけにはいきません。
我が国の安全保障をめぐる環境は、現在の防衛大綱を策定した5年前に想定していたよりも、格段に早いスピードで厳しさと不確実性を増しています。このため、我が国防衛の指針である防衛大綱について、再び見直す必要があると判断いたしました。
大綱の見直しに当たっては、まず何よりも現実から目をそらすことなく、真正面から向き合うことが不可欠であります。今や、サイバー空間や宇宙空間など、新たな領域で優位性を保つことが我が国の防衛に死活的に重要になっています。
もはや、陸海空という従来からの区分にとらわれた発想では、あらゆる脅威から我が国を守り抜くことはできません。従来の延長線上ではなく、国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めていく必要があります。このような困難な課題を乗り越えていくには、あらゆる観点から課題を分析し、様々な分野における知見や経験を結集させなければなりません。本日、お集まりいただいた有識者の皆様におかれましては、本懇談会において安全保障、防衛政策を中心とした各分野における多大な知見や御経験を存分にいかして御議論いただき、忌憚(きたん)のない御意見を賜れればと思いますので、よろしくお願い申し上げます。」