平成30年7月豪雨による被害状況視察のための広島県訪問
平成30年8月5日、安倍総理は、平成30年7月豪雨による被害状況視察のため、広島県を訪問しました。
総理は、始めに、下河内地区の被災現場を視察し、東広島市の高垣広徳(たかがき・ひろのり)市長から要望書を受け取りました。次に、安芸(あき)郡熊野町の避難所となっている熊野町民体育館を訪問し、避難されている住民の方々からお話を伺いました。その後、坂町の土砂災害現場の視察を行いました。
続いて、呉市の土砂災害現場を視察した後、避難所となっている天応まちづくりセンターを訪問し、避難されている住民の方々からお話を伺いました。さらに、天応大浜応急仮設住宅建設地を視察しました。
視察後、総理は次のように述べました。
「まず、改めてこの度の豪雨災害でお亡くなりになられた方々に、心から哀悼の意を表したいと思います。そして全ての被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。
発災から1か月近く経とうとしていますが、道路、水道といったインフラの復旧、あるいはまた、大量に発生した災害廃棄物の処理については、関係者の皆様に昼夜を分かたず努力していただいた結果、着実に前進しております。
また、住民の皆様の足といえる鉄道については、先ほど視察いたしました山陽本線、呉線においては、まだまだ完全な復旧には時間がかかる空気もありますが、順次運転再開に向けて前進しています。
そして、ポンプが損壊した呉・川尻地区においては、見込みよりも前倒しで、8月2日に全ての地域において断水が解消しました。インフラの復旧については、着実に前進しております。
一方、先ほどお目にかかった被災者の皆様からは、生活の再建、そして生業(なりわい)の再建に向けて先の見えない不安について、お話を伺いました。そして、同時に連日の猛暑が続く中において、避難所の生活の困難さについてお話を伺ったところであります。政府としては当面の住まいの確保について、公営住宅、そしてみなし住宅への入居手続を迅速に行ってまいります。そして、今視察をさせていただきましたが、応急仮設住宅の建設については急ピッチで進めてまいります。
被災者の皆様が未来に希望を持って、生活の再建、そして生業の再建に向かって進んでいくことができるように、また被災自治体の皆様が財政上不安なく安心して復旧、復興に取り組むことができるように、先週、支援パッケージを取りまとめたところであります。
町なかの土砂、がれきの撤去に対する財政支援、あるいはまた、中小企業、小規模事業者の皆様が事業を継続していくためのグループ補助金、そしてまた観光業の皆様が今、大変な危機感を持っておられますが、観光業の皆様の風評被害対策のために予備費を活用し、まずは予備費活用の第1弾として1,000億円規模の対策を直ちに実現に移してまいります。
政府としては、気象が変動する中において、広範な地域において甚大な被害が発生した今回の豪雨災害で見えてきた課題をしっかりと踏まえて、台風13号も接近しております、必要な警戒態勢を敷くとともに、万全な災害対応に全力を尽くしていきたいと思います。」