平成30年7月豪雨非常災害対策本部会議(第11回)
平成30年7月22日、安倍総理は、総理大臣官邸で平成30年7月豪雨非常災害対策本部会議(第11回)に出席しました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「昨日、広島県の被災現場を視察し、そしてまた避難所の被災者の方から避難所生活の切実な思い、あるいは具体的な要望についてお伺いしてまいりました。
連日猛暑の中、懸命に家の片付けに当たる被災者、ボランティアの方々に接し、一日も早い生活の再建、生業(なりわい)の再建のため、政府としてできることを全て行うとの思いを新たにしたところであります。
被災者向けの住まいの確保については、一昨日より広島県で民間賃貸住宅を活用したみなし仮設住宅への入居受付が始まり、約450件の申込みがありました。岡山県でも既に約1100件の申込みがあり、順次入居決定の手続が進んでいます。建設型の応急仮設住宅についても、愛媛県で140戸の建設が決まったほか、広島県では、呉市や三原市、坂町で予定地が決定され、建設の準備が進められており、更に取組が加速するよう、支援を強化してまいります。
生業の再建は待ったなしです。3県を視察しましたが、多くの農林漁業者、そして中小小規模事業者の皆さんが、自らの自宅等も被災する中で事業再開への気力を失いかねない、厳しい現実があります。廃業が相次ぐような事態となれば地域経済に大きな打撃となりかねず、そうした選択になる前に、一日でも早く手を打たなければならない。事業者の皆さんに、明日への希望を生み出すことが必要です。先般の愛媛でも、昨日の広島でも、熊本地震のときのようなグループ補助金による設備復旧支援を行ってほしい、といった具体的な要望も頂きました。今回は、長年かけて収穫が可能となったみかんが押し流されたり、町の商店など小規模事業者が多く被災するなど、地域ごとの特性を踏まえたきめ細かな対策が必要です。いよいよ夏休みが始まりました。観光業の風評被害対策も重要です。地域の雇用をしっかりと守っていかなければなりません。また、被災地を覆う多くの土砂が、事業再開・生活再建の妨げとなっており、二次災害を防止する観点からも早急に除去しなければなりません。予備費や災害復旧のための予算をあわせて4000億円の財源があります。これをしっかり活用して、被災者生活支援チームが中心となり、関係省庁が協力して被災者の生活再建、生業の復興に向けた対策パッケージを早急に取りまとめてください。
被災者の方々の生活再建に向けて、今後様々な消費者トラブルの発生も予想されることから、専用の消費者相談ダイヤルを設けました。被災自治体や被災者の皆さんに十分な周知を図ってください。実際、被災地でも、被災者を狙った悪質な架空請求事案が発生したとの報告を受けております。このため、消費者保護対策としてこれまで進めてきた架空請求事案対策の検討を前倒しし、本日、架空請求対策パッケージを決定することといたしました。関係省庁が連携して、生活再建に取り組んでおられる被災者の皆さんの安心の確保に万全を期してください。
今後、台風シーズンの到来を控え、政府として災害対策に万全の態勢をとる必要があります。今回の災害により、河川の氾濫や土砂災害の危険性が増したと思われる箇所を早急に抽出、点検、今のうちにできる限りの対策を講じてください。
引き続き、被災者の目線に立ち、現場主義を徹底し、一日も早い被災地の応急復旧、生活再建、そして生業の再建に全力を尽くしていきますので、各位にあってもよろしくお願いいたします。」