平成30年7月豪雨による被害状況視察のための広島県訪問
平成30年7月21日、安倍総理は、平成30年7月豪雨による被害状況視察のため、広島県を訪問しました。
総理は、始めに、避難所となっている三原市の本郷生涯学習センターを訪問し、避難されている住民の方々からお話を伺った後、自衛隊の入浴支援活動を視察しました。さらに、三原市の天満祥典(てんまよしのり)市長から要望書を受け取りました。次に、避難所となっている広島県安芸郡坂町の町民センターを訪問し、避難されている住民の方々からお話を伺いました。
続いて、広島市矢野町の土砂災害現場を視察し、行方不明者の捜索を行っている警察、消防及び自衛隊を激励した後、安芸郡熊野町及び呉市の土砂災害現場を視察しました。その後、呉市で避難所となっている安浦まちづくりセンターを訪問し、避難されている住民の方々からお話を伺った後、呉市役所で広島県の湯崎英彦知事、広島市の松井一實(かずみ)市長、呉市の新原芳明(しんはらよしあけ)市長及び坂町の吉田隆行町長等と意見交換を行い、要望書を受け取りました。
視察後、総理は次のように述べました。
「まず始めに、この度の豪雨によってお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げたいと思います。そしてまた、全ての被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。
先ほど、災害の現場に伺い、この度の豪雨の凄まじい被害、自然災害の脅威を改めて認識いたしました。また、避難所においては、被災者の方から、いかに怖い思いをしたか、あのときの恐怖がいまだによみがえってくるというお話も伺いましたし、猛暑の中で避難生活の困難な状況、避難所での生活の困難さ、あるいはまた、将来への不安など、切実な思いについてお話を伺ったところでございますが、4年前にも、広島においては土砂災害における甚大な被害がありました。そして、多くの尊い命が奪われたわけでございまして、そうしたことを貴重な教訓として災害対策の見直しを進めてきたところでございますが、今回も300か所以上で土砂災害が発生し、多くの犠牲者が残念ながら出たわけでございます。事前に避難箇所の手当てはどのように行ったのか、あるいは気象情報と、そして被災自治体の避難勧告、避難指示が住民の皆さんの避難行動にどのように結びついたのかといったことを多角的に課題を徹底的に検証しながら、その上で迅速に今後の対応、しっかりとした必要な対策を講じてまいりたいと思っております。
来週の24日には、この一連の災害を激甚災害に指定いたします。15日の見込みの段階から調査を進め、適用措置を追加することといたしました。例えば、公民館や図書館や公立ではない学校を災害復旧の補助の対象とすることといたしました。そしてまた、会社が被災し、そして休業を余儀なくされた職場で働いていた方々、実際には離職していない方であっても離職者とみなし、手当を受けることができるようにいたします。
今後も、被災者の皆様の目線に立ってしっかりと対応していきたいと、このように思いますが、財政措置については、被災自治体の皆様には心配することなく安心して迅速に災害復旧に取り組んでいただきたいと思います。
今後とも、被災者の皆様の目線に立って、先手先手で、できることは全てやるとの考え方の下、被災者の皆様の生活支援、そして生活再建、さらには生業(なりわい)の再建に向けて、政府としても全力を挙げてまいります。」
最後に、総理は、自衛隊のヘリコプターで被災状況を上空から視察しました。