日韓経済人会議
平成30年5月15日、安倍総理は、都内で第50回日韓経済人会議に出席しました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「高円宮妃殿下、キム・ユン韓日経済協会会長、佐々木幹夫日韓経済協会会長、日韓両国の経済界の代表の皆様、本日ここに日韓経済人会議の記念すべき50回目の会議開催に当たり、御出席の皆様に心からお慶(よろこ)び申し上げます。
日韓経済人会議は、今までの50回、日韓関係が良好なときも困難に直面しているときも、一度も途切れること無く日韓交互で開催されてきました。こうした意味は正に国交正常化後の日韓両国の経済関係の強化の歴史と軌を一にするものであり、半世紀にわたりこの会議が果たしてきた役割は強調してもし過ぎることはありません。韓日経済協会、日韓経済協会が主催する日韓高校生交流キャンプなどの交流事業は、日韓間の人的交流の拡大にも大きく貢献してきました。
先週、日中韓サミットを東京で開催し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が韓国の大統領として7年ぶりに訪日されました。その機会に日韓首脳会談を行い、文在寅大統領との間で未来志向の日韓関係を構築していくことで、改めて一致いたしました。
本年は、小渕(おぶち)総理と金大中(キム・デジュン)大統領が日韓パートナーシップ宣言に署名してから20周年に当たる記念すべき年です。10月の20周年に向けて新たな日韓関係の姿を検討するよう、文在寅大統領と共に両国の当局に指示しました。
未来志向の日韓関係の構築のためには、層の厚い経済交流や人的交流が重要です。日本と韓国はお互いに第3位の貿易相手国であり、様々な分野で企業間の連携が進んでいます。近年は自然開発や、インフラ整備等の分野で日韓の企業が第三国へ共同進出する動きも見られています。少子高齢化、エネルギー、環境問題など、日韓共通の課題は将来に向けた大きなビジネスチャンスにもなり得るものです。日韓の企業が更に連携を進め、新しいアイデア、新しい製品、新しいサービスを生み出す核となることを強く期待しています。
先日の日韓中サミットでは、質の高いRCEP(東アジア地域包括的経済連携)の年内妥結及び日韓中FTAの交渉加速化に向けて連携していくことで一致しました。両国間の経済連携を促すため、政府としても取組を進めてまいります。
人的交流では、昨年の日韓両国間の人の往来は900万人を超え、過去最高となりました。特に日本を訪れる韓国人の数は近年急激に伸びており、中国に次いで第2位の訪日外国人数となっています。私自身、平昌(ピョンチャン)オリンピックの開会式に出席し、アイスホッケーの試合を観戦しましたが、会場に多くの日本人の姿を見ることができました。平昌オリンピック、それに続くパラリンピックには、その後も多くの日本人が観戦に訪れていました。日韓の選手たちの厚い友情は、世界中の人々に深い感動を与えました。特に先ほど御紹介いただきましたように、小平奈緒(こだいら・なお)選手と李相花(イ・サンファ)選手が試合終了後にお互いをたたえ合ったのは、世界中に大きな感動を与えてくれました。改めてオリンピック・パラリンピックの成功に心からの祝意を表するとともに、韓国の関係者の皆様の御尽力に敬意を表します。この盛り上がりを、2020年東京オリンピック・パラリンピックにつなげ、これをきっかけに日韓両国の国民交流が更に発展していくことを期待しています。
このように、経済交流や人的交流は両国関係の土台となっています。政府としても両国の交流促進のために、引き続き尽力してまいります。
最後に、日韓経済人会議のますますの御発展、両国経済の一層の成長、両国経済人の更なる交流促進を祈念いたしまして、私の政府代表者としての御挨拶とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。」