中東訪問 -4日目-
平成30年5月2日(現地時間)、パレスチナを訪問している安倍総理は、ジェリコ農産加工団地(JAIP)を視察しました。
その後、イスラエル国を訪問し、ビンヤミン・ネタニヤフ首相と会談を行いました。
午後には、パレスチナを訪問し、聖誕教会を視察しました。
ジェリコ農産加工団地の視察後、総理は、次のように述べました。
「念願だったジェリコ農産加工団地の訪問を実現できて、本当にうれしく思っています。中東和平に対する日本独自の貢献、日本のフラッグシップ・プロジェクトとも言えると思います。
第一次安倍政権で建設を決定した約10年前、この地は全くの荒れ地でした。それが今やパレスチナの12の企業が操業して、200名の雇用を生み出しています。第2フェーズまで進んでいくと、それが3,400名まで増えていくことが見込まれます。近々、日本企業がカフェをオープンすると聞いております。この地の皆さんの憩いの場、交流の場となればと思います。
JAIPはパレスチナの地で農産加工品等を生産し、雇用を生み出し、利益を生み出すとともに、中東和平にとって不可欠な関係者同士の信頼を育んでいくことにもつながっていくわけであります。
このJAIPの成功はヨルダン、パレスチナ、そしてイスラエル、日本の協力のたまものと言ってもいいでしょう。今後のJAIPがパレスチナの自立的な経済発展、そして関係者の信頼醸成につながっていくことを期待しています。
中東地域の安定は日本にとって不可欠であります。エネルギーのほとんどは中東から日本に来ている。石油ガスの安定供給の確保とともに、日本独自の貢献を、地域の平和と安定に対して行っていくという目的でありました。
昨日、アッバース・パレスチナ大統領と会見をし、そしてこの後、ネタニヤフ、イスラエルの首相ともそれぞれ会談を行う予定でありますが、こうした会談を通じて少しでも中東和平に対して、日本の貢献を行っていきたいと思いますし、このJAIPについては、先般4か国の閣僚級の会議も行われたわけであります。このJAIPをいかして、中東和平の実現に日本も貢献していきたいと、このように思っています。と同時に、今まで中東と日本のつながりはエネルギーだけと言われていたんですが、今や政治、外交、そして教育や農業、様々な分野あるいは国際場裡での協力、大変多岐にわたる重層的な関係になってきていると、こう思います。そうした中において日本も中東地域との関係を深め、積極的に貢献をしていきたいと思います。」