第3回宇宙開発利用大賞表彰式
平成30年3月20日、安倍総理は、都内で開催された第3回宇宙開発利用大賞表彰式に出席しました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「第3回宇宙開発利用大賞に当たり、受賞された皆様に心よりお祝いを申し上げます。
アポロ11号が月面に着陸したのは、ほぼ半世紀前のことであります。当時まだ今よりも大分初々しい少年だった私は、夜空にある月を眺め心躍らせたことを、今でも覚えております。
20世紀、宇宙開発は、多額の予算を投じる国家プロジェクトとして、国と国とが競い合って進めるものでありました。しかし、その在り方が、この10年ほどで急速に変わろうとしています。
きっかけは、1本のコカ・コーラでした。コーラの缶を使って、小さな衛星をつくる。本日受賞された中須賀先生が中心メンバーとして加わった、日米の大学による共同プロジェクトによって、宇宙開発は民間のベンチャー企業が次々と参入し、誰もがチャレンジできる分野になりました。
宇宙ごみの回収サービス、人工流れ星。先ほどお話を伺いましたが、正にきら星のごとく奇想天外なアイデアが登場し、この広大な宇宙は、新しいビジネスがどんどん生まれる人類の大いなるフロンティアとなっています。
国家プロジェクトから、民間ビジネスのフロンティアへ。
この世界的なパラダイムシフトを、我が国が先頭に立って、力強く牽引(けんいん)する。今般、政府として、宇宙ベンチャー育成のための新たな支援パッケージを取りまとめました。
今後5年間で、官民併せて1000億円規模のリスクマネーを宇宙ビジネスに投入いたします。
さらに、人材もしっかりと供給していく。JAXAの優秀な研究者の皆さんが民間のベンチャー企業で働けるようにすることで、官から民への人材・技術の流れを加速する考えであります。
20世紀、月面に降り立った、アポロ11号のアームストロング船長は、この有名な言葉を残しました。
1人の人間にとっては小さな1歩だが、人類にとっては偉大な飛躍だ。
21世紀、無限の可能性を秘めた、この宇宙分野で次なる偉大な一歩を踏み出すのは皆さんである、と確信しています。
本日お集まりの新進気鋭のベンチャー企業の皆さんを始め、民間企業や大学の方々の御活躍を大いに期待する次第であります。
どうか、人類の夢と希望をのせて、次の時代を切り拓いていただきたい。そのことを最後に申し上げて、私の御挨拶とさせていただきます。本日は、本当におめでとうございました。」