福島県訪問
平成30年3月10日、安倍総理は、福島県を訪問しました。
総理は、伊達(だて)市で相馬福島道路開通式に出席しました。その後、相馬市で松川浦漁港原釜地区を視察し、続いて、南相馬市でロボット等の研究開発をする中小企業を視察しました。最後に、双葉郡葛尾(かつらお)村で、来年度から再開する葛尾村小中学校を視察しました。
視察後、総理は次のように述べました。
「原発事故で大きな被害を受けた福島では、昨年、帰還困難区域を除いてほぼ全ての地域で避難指示が解除されました。ここ葛尾村を含む5町村で、いよいよ小学校、中学校が再開することになります。子供たちの笑顔は、復興の大きな力だと思います。しかし、まだまだこれはスタートです。まだ多くの方々が、困難な避難生活を余儀なくされています。少しでも多くの家族の皆さんが安心して帰還できるように、生業(なりわい)の復興、そしてきめ細やかな支援をしていく。復興を更に加速させていきたい、そう考えています。
そして、あの東日本大震災から明日7年が経過します。我々、この中で松川浦港を訪問いたしました。松川浦港においては、震災から後、初めて伝統の青のりが出荷いたしました。また、ひらめがタイに輸出されました。そして、福島相馬道路開通地区、開通区間が大幅に拡大されています。間違いなく、一歩一歩でありますが、復興は着実に前進していると思います。
しかし、復興がただの復旧となってはならないわけでありまして、新産業を創出していく、新産業の創出を進めていかなければなりません。福島イノベーション・コースト構想は、復興の正に切り札であると思います。そして、震災後、地域を支えてきた中小企業の力が、その実現のためには不可欠であると思います。この浜通り地区において、イノベーションにチャレンジする中小企業に対して、特許料について2分の1の特許料を来年の4月に4分の1まで引き下げ、頑張る中小企業を支援してまいります。
そして、2020年東京オリンピックにおいては、ここ福島でも競技が行われます。多くの世界中のアスリートが福島を訪れ、そして多くの世界からの観光客がこの福島を訪問します。福島が復興した姿をしっかりと示していきたいと思っています。
福島の復興なくして、日本の再生なし。この決意の下に、8年目を迎えても今までと同じように国が前面に立って福島の復興に全力を挙げてまいります。」
また、佐川国税庁長官の辞任及び決裁文書の書換え疑惑についての質問に対し、総理は次のように述べました。
「昨日、財務大臣が記者会見でお話ししたとおりでありますが、佐川前長官を含め、財務省において、決裁文書の件について、捜査に対して全面的に協力する一方、文書の有無を明らかにする、そのために全力を挙げていかなければなりません。そして来週早々には、その結果についてお示しできるように全力で取り組んでもらいたいと考えています。麻生財務大臣を始め、財務省を挙げて取り組んでもらいたいと思います。」