岩手県訪問
平成29年12月20日、安倍総理は、岩手県を訪問しました。
総理は、山田町で、本年7月に営業を再開した鯨と海の科学館を訪問し、展示内容を視察しました。その後、大槌(つち)町の県立大槌高等学校を訪問し、地域の復興に貢献するために活動している高校生を激励しました。続いて釜石市の釜石地方森林組合を訪問し、地域の素材をいかしたものづくりを視察しました。
視察後、総理は次のように述べました。
「今回は、岩手県の津波で大きな被害を受けた地域を視察いたしました。あの震災から来年の3月11日で丸7年が経過しようとしています。復興は道半ばではありますが、この約7年間たゆまずに復興に向けて努力を重ねてきた地域の皆さんの意欲によって、間違いなく復興は進んでいます。今回も、地域の皆さんの復興に向けた力強さと熱意を感じることができました。
山田町においては、町のシンボルを何とか復活させようと、地元の皆さん、スタッフやあるいはボランティアの皆さんの貢献によって、とうとうこの鯨館が開館に至りました。世界で最も大きいと言われているマッコウクジラの標本を、是非多くの皆さんに見に来ていただきたいと思いました。
また大槌高校においては、避難所として町の皆さんを受け入れ、そして高校生の皆さんが避難所を運営するスタッフとして、自分たちも被災しながらも、その大変な思いの中で一生懸命避難所をより良い環境にするために頑張ってこられた。こういう先輩たちの経験を受け継ぎながら、そしてまたもしものときにいかしていこうということで、復興研究会が立ち上げられて定点観測をしているというお話を伺いました。どのように町が復興しているかということを記録として残していきたいということだったんですが、この町が好きだからと、そういう活動を進めていく上において、動機についてお話を伺いつつ、大変心強く思いました。復興を進めていく上において、この若い皆さんの力は大きな原動力になっていく。卒業してからも町のためにも頑張ってもらいたいと期待しています。
この釜石においては、地域が誇る素材である木と鉄を使って、新しいものづくりの試みがスタートしています。地域の皆さんやあるいは地域以外からやってきた人と知恵を出し合いながら、この地域から新しい生業(なりわい)の芽を伸ばしていきたいという意欲を感じることができました。また、私たちとしても地域の生業である林業の振興に力を入れていきたいと、このように思っています。
国としても全面的に復興を支援していく。東北の復興なくして日本の再生なし。これが安倍政権の正に基本姿勢でありますが、やはり地域の皆さんの意欲なくしては復興を成し遂げることができないと改めてそのように感じた次第であります。福島を始め様々な課題がありますが、地域の皆さんの気持ちに寄り添いながら全力で復興に向けて努力を重ねていきたいと思います。」