日・ミャンマー首脳会談等
平成29年12月14日、安倍総理は、総理大臣官邸でミャンマー連邦共和国のティン・チョウ大統領と首脳会談等を行いました。
儀じょう隊による栄誉礼及び儀じょうに続き、両首脳は会談を行い、その後、共同記者発表を行いました。
最後に、総理は総理大臣公邸で晩餐会を開催し、挨拶で次のように述べました。
「ティン・チョウ大統領御夫妻の訪日を心から歓迎いたします。大統領としては初めての訪日であり、また個人としては40年ぶりの訪日と伺っておりますが、40年ぶりにこうして日本を大統領として訪問していただいたことをうれしく思います。
ティン・チョウ大統領は、お父様のミン・トゥ・ウン氏が、1970年代に当時の大阪外国語大学に客員教授として在籍し、日ミャンマー語辞書の編さんに協力されました。
ミャンマーの歴史に残る政権交代から2年。ティン・チョウ大統領がアウン・サン・スー・チー国家最高顧問と手を携えて政権運営している姿をミャンマー国民は誇らしく感じていることと思います。
そのミャンマー国民の間では、最近日本語学習熱が高まっていると聞いています。うれしい話ではありますが、教師の育成が間に合わないほどのスピードでその日本語熱が広がっているということであります。日本語教師の派遣に、是非皆様方でも、民間の皆様に御協力をいただきたいと思います。
ミャンマーで行われた今年の日本語能力試験の応募者数は2万人を超えました。これはミャンマーにおいて過去最高で、ASEAN(東南アジア諸国連合)ではベトナム、タイに次いで3番目、世界でも6番目に多いわけであります。
ヤンゴンとマンダレーの外国語大学の日本語学科への入学希望者数は、日本語が英語に次いで多く人気を博しています。
ミャンマーでは、進出している日本企業の数も5年前と比べて6倍に増加していることから、それに応じて日本語ができる人材の需要が今後更に増えていくと思われます。もしティン・チョウ大統領のお父様が生きておられたら、時代に合った経済用語などを追加した新しい辞書を編さんしたというふうに思われます。
日本にもたくさんのミャンマーファンがいます。ミャンマーを訪問した人はもうみんなミャンマーファンになります。私の父も、外務大臣時代に貴国を訪問し、ミャンマーの魅力のとりことなりました。私も当時、父に同行してミャンマーを訪問したのですが、外相会談中、当時のミャンマーの外務大臣の要望に私の父が何でもイエスと言うものでありますから、横にいた局長が、大臣抑えてくださいというメモを入れたことを今でも覚えています。私も筋金入りのミャンマーファンですし、私の妻もミャンマーにおける寺子屋の研究で修士論文を出しました。
本日の晩餐会にも、多くのミャンマーの魅力に取りつかれた人々、ミャンマーの魅力をよく理解している日本の皆様にお越しいただきました。そして、ミャンマーと日本の関係の発展のために御協力いただいた皆様に御出席いただいております。
正に皆様のおかげで今日の日本とミャンマーの関係があります。この場をお借りいたしまして感謝申し上げるとともに、今後も日本とミャンマーの発展のために御協力いただきたいとお願いいたします。
それでは、ティン・チョウ大統領御夫妻の来日を契機として、日本・ミャンマーの関係が更に発展していくことを祈念して杯を上げたいと思います。」