政府与党政策懇談会

平成29年12月8日
挨拶する安倍総理1 挨拶する安倍総理1
挨拶する安倍総理1
挨拶する安倍総理2 挨拶する安倍総理2
挨拶する安倍総理2
挨拶する安倍総理3 挨拶する安倍総理3
挨拶する安倍総理3

 平成29年12月8日、安倍総理は、総理大臣官邸で政府与党政策懇談会に出席しました。

 懇談会では、新しい経済政策パッケージについて議論が行われました。

 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「生産性革命と人づくり革命を車の両輪として、少子高齢化という最大の壁に立ち向かうため、本日、新しい経済政策パッケージを閣議決定いたします。
 生産性革命では、2020年に向けて、過去最高の企業収益を、しっかりと賃上げや設備投資につなげていくことが必要です。
 そのため、3%以上の賃上げなど投資に積極的な企業には、法人税負担をOECD平均の25%まで引き下げます。さらに、革新的な技術により生産性向上に挑戦する企業には、思い切って20%まで引き下げ、国際競争で打ち勝てる環境を提供します。他方、利益が上がっているにもかかわらず、賃上げ・投資に消極的な大企業には、コーポレートガバナンス改革により説明責任を課すことに併せ、果断な経営判断を促す税制措置も講じる考えです。
 また、赤字など厳しい経営環境の下でも積極的に投資にチャレンジする中小・小規模事業の皆さんには、補正予算によるものづくり・サービス補助金などと併せ、自治体の自主性に配慮しつつ、固定資産税が3年間0となる制度を初めて創設いたします。
 こうした方向性で、与党税調において生産性革命を目指すにふさわしい、これまでにない大胆、かつめりはりのついた税制措置を、精力的に御審議いただいていることに心から感謝申し上げます。
 加えて、技術革新を踏まえた電波帯域の有効利用など、Society 5.0時代に対応した制度改革を断行するとともに、革新的なアイデアをビジネスにつなげるため、規制のサンドボックスの仕組みを創設し、次期通常国会に法案を提出します。
 税制、予算、規制改革。あらゆる政策を総動員することによって、世界で胎動する生産性革命を我が国がリードし、4年連続の賃上げの流れを更に力強いものとすることで、デフレからの脱却を目指してまいります。
 一方、人づくり革命は長期的な課題ですが、2020年度までの間に、これまでの制度や慣行にとらわれない新しい仕組みづくりに向けた基盤を築きます。
 第1に、幼児教育無償化を一気に加速します。3歳から5歳までの全ての子供たちの幼稚園、保育所、認定こども園の費用を無償化します。0歳から2歳児については、待機児童解消の取組と併せて、このパッケージでは住民税非課税世帯を対象として無償化を進めます。
 第2に、待機児童解消を目指す子育て安心プランを前倒しし、2020年度末までに32万人分の受皿整備を進めます。あわせて、保育士の確保や他産業との賃金格差を踏まえた処遇改善に更に取り組むこととし、今年度の人事院勧告に伴う賃金引上げに加え、2019年4月から更に1%の賃金引上げを行います。
 第3に、真に支援が必要な所得が低い家庭の子供たちに限って、大学などの高等教育無償化を実現します。住民税非課税世帯の子供たちに対しては、国立大学の場合はその授業料を免除し、私立大学の場合は私立大学の平均授業料の水準を勘案した一定額を加算した額までの対応を図ります。さらに、給付型奨学金を抜本的に拡充し、学生生活を送るのに必要な生活費を賄えるような措置を講じます。また、住民税非課税世帯に準ずる世帯の子供たちについても、支援の崖が生じないよう、準じた支援を段階的に行います。
 第4に、山口代表からの検討要請を踏まえまして、年収590万円未満世帯を対象とした私立高等学校の授業料の実質無償化を明記しました。これについては、消費税使途変更による、現行制度・予算の見直しにより活用が可能となる財源をまず確保します。その上で、消費税使途変更後の2020年度までに、現行制度の平年度化等に伴い確保される財源など、引き続き政府全体として安定的な財源を確保しつつ、家庭の経済状況にかかわらず、幅広く教育を受けられるようにする観点から、私立高等学校授業料の実質無償化を実現します。
 第5に、介護離職ゼロに向けた介護人材確保のため、介護職員の更なる処遇改善を進めます。介護サービス事業所における勤続年数10年以上の介護福祉士について、月額平均8万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠に、公費1000億円程度を投じ、2019年10月から処遇改善を行います。
 安定財源については、消費税10%への引上げによる財源を活用します。この増収分を、教育負担の軽減・子育て層支援・介護人材の確保等と財政再建とに、それぞれおおむね半分ずつ充当することにより、前者について新たに生まれる1.7兆円程度を活用します。
 また、社会全体で子育て世代を支援していくとの大きな方向性の中、子ども・子育て拠出金を0.3兆円増額します。
 こうした2兆円規模の政策を実行し、子育て世代、子供たちに大胆に政策資源を投入することで、我が国の社会保障制度を、お年寄りも若者も安心できる全世代型の制度へと大きく転換してまいります。
 与党幹部及び関係閣僚の皆様におかれましては、この新しい経済政策パッケージの政策の具体化に向けて、全面的な御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。」

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