商工会全国大会

平成29年11月16日
挨拶する安倍総理 挨拶する安倍総理
挨拶する安倍総理

 平成29年11月16日、安倍総理は、都内で開催された第57回商工会全国大会に出席しました。

 総理は、挨拶で次のように述べました。

「この大会に出てまいりますと、何かふるさとへ帰ってきたような、そんな温かい気持ちになります。本日、第57回商工会全国大会が大変多くの商工会関係者の皆様の御参加を得て盛大に開催されますことをおよろこび申し上げます。
 まず冒頭、7月の九州北部豪雨や先日の台風21号などの災害により亡くなられた方々に哀悼の意を捧(ささ)げるとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。商工会の皆様が、相次ぐ災害の度に被災された方々に寄り添い、地元の復興に全力で取り組まれていることに心から敬意を表したいと思います。
 さて、5年間のアベノミクスにより、企業の倒産件数は政権交代前と比べて3割減少し、雇用は185万人増えました。正規雇用の有効求人倍率も統計開始以来、初めて1倍を超え、この春大学、高校を卒業した若者の就職率は過去最高となっています。20年近くデフレと景気低迷に悩んできた日本経済に、今、好循環が着実に生まれています。これは、日本経済の屋台骨を担ってこられた皆様の御努力のたまものであり、この場を借りて御礼を申し上げたいと思います。
 他方、有効求人倍率が全国47全ての都道府県で1倍を超え43年ぶりの高水準となる中にあって、人手不足が深刻化しており、多くの皆様が大変な御苦労をしておられることと思います。しかし、私はこのピンチを大きなチャンスへと変えていきたい。未来をしっかりと見据えながら、生産性を一気に高めていくための中小・小規模事業者の皆さんの攻めの投資を全力で支援する。人口減少の時代にあって、生産性革命のうねりを全国津々浦々に広げていきたいと考えています。
 これまでも、中小・小規模事業者の皆さんの生産性向上に取り組んできました。攻めの設備投資に対して固定資産税を半減するなど様々な支援策により、わずか1年の間に3万の皆さんの経営力強化を支援してきました。皆さんの投資を一層力強く後押しするため、更に大胆な措置も検討してまいります。年末に向けて編成する補正予算では、いわゆるものづくり補助金を盛り込み、1万を超える皆さんの攻めの投資を支援してまいります。商工会の皆さんと一緒に進めている持続化補助金も更に活用しながら、小規模事業者の生産性向上にも全力を尽くします。こうした取組も進めると同時に、働き方改革についても中小・小規模事業者に大きな負担とならないよう、皆さんの声をしっかりお聞きしながら進めてまいります。
 人手不足とともに、もう一つの大きな課題が後継者問題です。今後10年間で6割を超える経営者の皆さんが70歳を超える。そのうちの半数に当たる127万者で後継者がいまだ決まっていません。そして、収益性も将来性もある事業を行っている中小・小規模事業者の皆さんが黒字廃業を余儀なくされている。これは日本経済にとっても大きな損失であります。皆様が育て上げ、皆様が誇る虎の子の事業をしっかりと次の世代へと円滑に引き渡していけるよう、私は思い切った予算・税制上の措置を講じる考えであります。
 元気な中小・小規模事業者の皆さんなくして持続的な経済成長はありません。地方経済を支える皆さんの活力こそが、これまでも、そしてこれからも、日本経済のエンジンであります。景気回復の果実が皆さんにしっかりと行き渡らない限り、アベノミクスは成功とは言えません。安倍内閣は、近年の下請いじめの実態を踏まえ、下請法の運用基準を13年ぶりに抜本改定しました。今後これを厳格に運用し、下請いじめを徹底的に取り締まることで景気回復の温かい風を皆さんの所にしっかりとお届けする。商工会とも二人三脚で下請対策に取り組んでいきます。
 元気で活力あふれる地方創生を進めていく。そのために、地元経済を知り尽くし事業者に寄り添う商工会の役割はますますその重要性を増しています。安倍内閣の更なるチャレンジに一層の御理解と御支援を賜りますようお願いいたします。一緒に頑張ってまいりましょう。
 最後になりましたが、本日御参集の皆様を始め、中小・小規模事業者の皆様の一層の御発展を祈念いたしまして、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。」

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