日・ブラジル共同記者発表

更新日:令和7年3月26日 総理の演説・記者会見など

【石破総理冒頭発言】
 皆さま、こんばんは。ボア・ノイチ。遅い時間に恐縮であります。
 日本・ブラジル外交関係樹立130周年の節目に、コロナ禍後初めての国賓としてルーラ大統領をお迎えできたことを大変に嬉(うれ)しく存じます。改めて、大統領及びジャンジャ御夫人の国賓としての御訪日に、政府を代表して心より歓迎の意を表します。
 日本とブラジルの長きにわたる伝統的友好関係は、1895年(注1)の修好通商航海条約の締結に遡ります。130年の歳月をかけ、政治、経済、環境、文化・スポーツなど、幅広い分野で両国の関係は著しい発展を遂げて参りました。
 現在、両国は、価値・原則を共有し、国際場裡(じょうり)で協働する戦略的グローバル・パートナーとなっております。この関係は、ブラジルに存在する世界最大の日系社会にも人的に支えられておるものでございます。
 本日、ルーラ大統領との間で幅広い分野で率直な意見交換を行いました。
 国際社会が対立と分断を深める中、国際社会を協調へと導くパートナーとしてブラジルとの協力は不可欠であります。ルーラ大統領と「平和・多国間主義強化に関するパートナーシップ」を立ち上げ、安全保障、防衛などの分野で、対話・協力を強化していくことを確認をいたしました。
 本日の会談でも、ウクライナや中東、東アジア情勢を含む国際情勢について率直な意見交換を行いました。引き続き、地域情勢への対応において連携をしていくことも確認をいたしました。日本とブラジルは、G4のメンバーとして、安全保障理事会改革のために今日に至りますまで共に尽力をしてまいりました。本年国連が創設80周年を迎える中、具体的な進展に向けて更に連携をしてまいりたいとこのように考えております。
 日本とブラジルの経済・貿易投資関係は、大きな潜在力があります。これまでも、両国は相互補完性を基礎とする双方に利益のある関係を構築してまいりました。今回、ブラジルから100名を超える経済ミッションの皆様方が訪日をされ、官民あわせて約80件、協力プロジェクトが発表されたということは大変意義深いことであり、歓迎を申し上げます。
 日本企業が2024年以降に予定をしております対ブラジル直接投資の総額は1.3兆円、約450億レアルに上ります。これらは、両国の経済関係強化への期待の現れであり、今後とも貿易投資を着実に拡大できるよう、大統領と連携をしてまいります。
 南米南部共同市場、メルコスールは日本にとって重要なパートナーであります。今回、大統領との間で日本・メルコスール経済関係を更なる高みに引き上げたいという強い思いを再確認をいたしました。本日の日本・ブラジル経済フォーラムにおきましても、両国の経済界代表から日本・メルコスールEPA(経済連携協定)の早期締結に向けた要望書を頂戴をいたしました。日本とブラジルがリーダーシップを発揮し、日本・メルコスール戦略的パートナーシップの枠組みを早期に立ち上げ、その下で、貿易関係の深化に向けて協議を進めていくことを確認をいたしました。
 生鮮牛肉の輸入につきましては、今後首脳レベルでもフォローアップしてまいりますほか、次のステップに向けて、情報収集を目的とする専門家を派遣すると、このようにお伝えしたところであります。
 日本とブラジルは、グローバル課題の解決に向け責任を共有するパートナーでもあります。環境・気候変動対策につきましては、ブラジルがCOP30(国連気候変動枠組条約第30回締約国会議)議長国として、先進国と途上国との立場の違いを乗り越えて、排出削減、気候変動の影響軽減、途上国支援についてバランスのとれた成果を得られるよう、協力していくことを約束をいたしました。ブラジルのバイオ燃料と、日本の高性能なモビリティという、両国の強みを生かしながら、日本、ブラジルで立ち上げたISFM(アイスファム:Initiative for Sustainable Fuel and Mobility)の下、世界の自動車分野における脱炭素化をリードしていくことを確認をいたしました。さらに、途上国の気候変動対策支援に貢献すべく、ロス&ダメージに対応するための基金に今年は新たに500万ドルの拠出を行ったことをお伝えした次第でございます。
 また、「日本・ブラジル・グリーン・パートナーシップ」の下、オファー型の協力も活用しつつ、劣化牧野回復、アマゾン違法森林伐採対策を柱として、環境保護と持続可能な開発を両立させた協力を両国で推進してまいります。かつて1970年代、日本とブラジルが取り組んだセラード開発は、両国の緊密な協力関係を示す象徴として今日に至るまで語り継がれているものでございます。「第二のセラード協力」ともいうべき劣化牧野回復事業を通じ、ブラジルの大地を再び緑に変えてまいりたいと思っております。
 二国間関係の土台である人的交流の促進も確認をいたしました。青少年の交流促進のため、ワーキング・ホリデー制度導入についての協議を進めてまいります。
 来月、大阪・関西万博を開催をいたします。ブラジルからも出展をいただき感謝をいたしております。素晴らしいパビリオンであると承知をいたしております。ブラジルとともに、万博を盛り上げたいと、このように考えております。
 今回、大統領閣下が御来日なさいましたが、今後とも、要人の往来を活性化いたしてまいります。両国首脳が相手国を2年ごとに交互に訪問するということに相成りました。本日、首脳間で採択した「アクション・プラン」(注2)に基づきまして、外交・安全保障、経済・貿易投資、環境・気候変動対策を始めとする多くの分野において、日本・ブラジル関係を一層深化をさせてまいります。ルーラ大統領と共に手を携えてまいりたいと存じます。ありがとうございました。オブリガード。

(注1)「1985年」と発言しましたが、正しくは「1895年」です。
(注2)「アクション・プログラム」と発言しましたが、正しくは「アクション・プラン」です。

関連リンク

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