高額療養費制度見直しに関する患者団体との面会についての会見
【石破総理冒頭発言】
はい、お待たせをいたしました。それでは私から申し上げます。高額療養費制度の見直しに関しまして、先ほど、患者団体の皆様と面会をし、直接、その切実なお声を承ったところであります。これまでも、御指摘を真摯に受け止めて、「多数回該当」の方の負担据え置きや、令和8年度以降の所得区分の細分化の再検討などを行い、その点については一定の御評価を頂戴をいたしましたが、本年分の定率改定を含め、今回の見直しについて、なお御理解を頂くには至っておりません。高額療養費が増大する中、保険料負担を抑制するとともに、この大切なセーフティーネットを次の世代にも持続可能なものとするため、制度の見直し自体は実施させていただきたいと、説明をいたしてまいりました。
保険者の皆様方からも、そのような御要望を改めて頂戴をいたしました。特に、経済物価動向に対応した令和7年度の定率改定は、中間所得層の方で、年収の0.1パーセントから0.2パーセントに当たる引上げでございます。低所得の方は引上げ率を抑えております。被保険者の方々の声に応えるためにも、御理解を頂きたかったのでありますが、患者団体の皆様方からは、「それでも受診抑制につながるおそれがある」と、このような御意見を頂戴をいたしました。ここに至りますまで、患者団体の皆様に御理解を頂けない理由の一つとして、本件の検討プロセスに、「丁寧さを欠いた」との御指摘を頂いておることを、政府として、重く受け止めねばならないと思っております。患者の皆様に御不安を与えたまま、見直しを実施することは望ましいことではございません。
また、今日に至る審議の過程におきまして、立憲民主党の野田代表、委員会で質問を頂きました。日本維新の会、公明党、衆・参の自民党からも、それぞれ御意見を頂戴をいたしました。こうしたことから、私は本年8月に予定されております定率改定を含めて、見直し全体について、その実施を見合わせるという決断をいたしました。本年秋までに、改めて方針を検討し、決定することといたします。先ほど、自由民主党の森山幹事長、小野寺政調会長に対しまして、所要の手続について検討するように指示をいたし、公明党の西田幹事長、岡本政調会長にも御協力をお願いをいたしました。
予算案が衆議院を通過いたしました後に、このようなことを申し上げるのは、大変申し訳ないことだと思っておりますが、引き続き、予算の年度内成立に向けて、努力をしてまいる所存でございます。関係しておられる皆様方には、これが本当に極めて厳しい決断であるということを御理解をいただきたいというふうに切に望んでおります。この高額療養費制度が、患者の皆様方にとって大切な制度でありますからこそ、丁寧なプロセスを積み重ねることで、これが持続可能なものとして、次の世代に引き継がれるように心から願い、努力をしてまいりたいと存じます。私からは以上です。
(今回の見直しの決断を受けて、参議院で審議されている当初予算を再び修正する考えはあるか)
これは今、方針を決定をし、両幹事長・両政調会長に指示をし、御協力をお願いをいたしたところでございます。その手法につきましては、今後、検討いたしてまいり、早急に結論を得たいと思っております。
(早急というのは、来週中とかめどはあるか)
早急は早急でございます。