日・インドネシア共同記者発表

更新日:令和7年1月11日 総理の演説・記者会見など

【石破総理冒頭発言】
 今回、総理大臣就任後初の二国間訪問として、マレーシアに続きましてインドネシアを訪れさせていただきました。プラボウォ大統領閣下を始めインドネシアの皆様から、感動的な温かい歓迎と、そしておもてなしを頂いたことに心より感謝を申し上げます。
 新たな年、2025年を迎えまして、国際情勢は複雑さ、不透明さを増しておりますが、そのような中でも東南アジアは、堅調な経済成長を実現する世界の成長センターであり続けております。我が国の外交にとりまして、この東南アジアとの連携強化は最優先の課題の一つであります。
 特に、インド洋と太平洋が交わる要衝であり、この成長センターをけん引するインドネシアは、我が国と基本的な価値や原則を共有する包括的・戦略的なパートナーであります。我が国は、自由で開かれたインド太平洋、FOIPやインド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)の実現を通じ世界を協調に導くべく、長年の貴重な友人でありますインドネシアと緊密に連携していきたいと考えております。
 今回インドネシアを訪問し、本日プラボウォ大統領閣下との間で、幅広い分野にわたる率直な意見交換を行いますとともに、大統領閣下との間で信頼関係を深めることができましたことは非常に有意義なことでございました。
 二国間関係につきましては、安全保障分野におきまして、防衛装備技術協力を含む両国の海洋安全保障についての防衛実務者間の協議立ち上げで一致をしたところであります。また、インドネシアとの間で初となりますOSA、政府安全保障能力強化支援を通じました高速警備艇の供与、外務・防衛大臣閣僚会合「2+2」の開催で一致をし、これを含め、両国間の戦略的対話を強化することに一致をいたしました。
 経済分野におきましては、エネルギーの安定供給に関しまして、協力を強化していくことで一致をいたしました。また、インドネシアの持続的な経済発展を後押ししますため、アジア・ゼロエミッション共同体、AZECの下でのムアララボ地熱発電、水素、アンモニア、バイオ燃料といった脱炭素・エネルギー分野や重要鉱物分野での協力を確認いたしました。エネルギー安全保障の確保と多様な道筋による脱炭素化に向けまして、資源・インフラ協力を進めてまいりたいと考えております。
 インドネシアのこどもたちに栄養価の高い給食を提供したいという大統領閣下の思いに応えて、日本の経験も活用して、給食研修や専門家派遣を行うほか、漁業・農業開発支援を行う協力パッケージを実施してまいります。
 甚大な被害をもたらしましたスマトラ沖大地震、あるいはインド洋の津波から、20年の年月が流れました。インドネシアと日本は共に災害に直面する国でありますが、防災について、今回、更に協力を進めてまいることで一致をいたしました。
 日本とインドネシアの関係は、人と人との交流に支えられております。人的育成分野を始めとする連携を更に促進し、友好協力関係を強化してまいります。
 プラボウォ大統領閣下とは、二国間関係の深化のみならず、地域情勢や国際場裏での協力を含みます幅広い分野についても意見を交わし、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化することの重要性を再確認したところであります。
 インドネシアのOECD(経済協力開発機構)加盟を含め、国際場裏におきまして一層連携を強化することでも一致をいたしました。
 プラボウォ大統領閣下と対面でお会いするのは、これで2度目でありますが、日本・インドネシア関係の更なる進展に向けた一歩を踏み出すための重要で貴重な機会になったと考えております。私も、両国関係の深化・発展のため、積極的に今後とも取り組んでまいりたいと存じます。
 今回の感動的な歓迎に感謝をいたしますとともに、本年の大阪・関西万博の機会に、インドネシアから多くのお客様をお迎えし、おもてなしができますことを楽しみにしております。プラボウォ大統領閣下を日本に招待し、お迎えをすることを心より楽しみにしております。テリマカシ(ありがとうございます)。

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