令和7年度予算案の概算決定等についての会見
【石破総理冒頭発言】
本日、(令和)7年度予算案の概算決定を行いました。本予算は、(令和)6年度補正予算と合わせまして、コストカット型経済から高付加価値創出型経済への移行を確実なものにするということを眼目とするものであります。それとともに、我が国が直面しております構造的な変化に的確な対応をしたいと、国民の皆様方に安全安心を提供したいと思っております。
賃金を上げなければならんことでありますが、この原資となります企業の稼ぐ力、これを引き出さなければなりません。複数年度で計画的に取り組むことといたしております、AI(人工知能)・半導体分野の投資促進、GX(グリーン・トランスフォーメーション)投資促進、これを官民連携の下で着実に進めてまいります。成長力を強化し、新たな需要を作りたいと考えております。
地方こそ成長の主役と、いつも申し上げていることでございますが、地域の産官学金労言、これが連携をし、地域の可能性を引き出すという取組を後押しするために、地方創生の交付金を倍増するということはこの中に盛り込んでおるところでございます。「こども未来戦略」に基づく子ども・子育て支援を本格的に実施をし、(令和)7年度に高等教育の負担軽減の更なる拡充、1歳児の(保育士等の)配置改善など保育の質の向上、育児休業給付の充実、全ての子ども・子育て世代に対し、切れ目のない支援を行ってまいります。
能登半島の教訓を踏まえまして、キッチンカーの登録制度、これを創設をいたします。災害対応力を抜本的に強化をいたします。今後も想定されます災害への備えに万全を期すため、内閣府防災担当、この予算・定員を倍増いたします。
安全保障環境は戦後最も厳しいものでございますので、防衛力の抜本的強化、そして自衛官の処遇改善、人的基盤の強化ということを実現させたいというふうに考えております。
経済再生・財政健全化、この二つを両立させてまいらなければなりません。プライマリーバランスにつきましては、(令和)6年度補正予算の影響も含めまして、年初の経済財政諮問会議で中期的な経済財政の展望をお示しし、財政健全化の進捗、これを検証いたします。財政健全化の旗は降ろすことはございません。プライマリーバランス黒字化を目指すという方針の下、これまでの取組の進捗・成果を後戻りさせることなく、歳出・歳入両面からの取組を継続してまいります。
年明けの国会におきまして、多くの御賛同が得られますよう、誠心誠意、説明をさせていただき、早期の成立を目指したいというふうに考えております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
(公邸に入居されるということだが、具体的な入居の時期、また、過去に入居しなかった総理もいるが、入居を決めた理由と、公邸には幽霊がでるといううわさもあるが、総理は気にするかについて)
公邸の点検作業・修繕作業、これが終了したということでございます。そんなね、引っ越しって簡単にできるものではないのだが、できるだけ早期に、公邸へ入らせていただきたいなというふうに思っております。
私どもの世代はオバケのQ太郎世代なので。知ってます?知らない?大して恐れません。実際見たら怖いかも知れませんが、それを気にするということはない、というのが現状でございます。時期については、すみません、警備の関係もございますので、なるべく早期に、ということで御容赦を賜りたいと存じます。
(予算案について、少数与党の下、予算案の審議も難航すると予想されるが、どのように野党の協力を得ていくのかについて)
これは私どもとして、多くの議論を重ねてまとめた予算案でございます。その趣旨は先ほど申し上げたとおりでございますが、少数与党でございますので、野党の方々が賛成していただくことがなければ成立をいたしません。野党の方々に賛成していただくためには、国民の皆様方のお気持ちが、「なるほどそうだね」というふうにならなければ、野党の方々に賛成していただくことにはならないと思っております。先ほど申し述べました趣旨を予算委員会等で丁寧に御説明をして、野党の方々に賛成していただける、そういう環境を醸成してまいりたい、このように思っておるところでございます。
(自民党が、裏金問題の政治的けじめとして8億円を寄付したと公表したが、このような幕引きを急ぐような姿勢が、国民の理解を得られるかについて)
別に幕引きを急ごうとしているわけではございません。やはり、一つのけじめというのをきちんとつけたいというふうに考えたものでございまして、そういう幕引きを急ごうとか、そういう考えに基づくものでは全くないということでございます。これは、けじめがついたかどうかは、これは国民の皆様方が御判断になることで、私どもとして、これで幕が引けたとか、けじめがついたとか、そのようなことを申し上げるべきだとは思っておりません。国民の皆様方に御判断いただけますように、私どもとして、これから己を更に厳しく律していきたいと、このように考えておるところでございます。