第12回高校生ビジネスプラン・グランプリ 石破総理ビデオメッセージ
高校生の皆さん、こんにちは。総理大臣の石破茂です。
日本政策金融公庫主催によります、 第12回「高校生ビジネスプラン・グランプリ」最終審査会の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。
この「高校生ビジネスプラン・グランプリ」は、「創造力、無限大」と題して、日本の未来、地域の未来を切り拓(ひら)くビジネスプランを募集するものだというふうに伺っております。
日本を元気にするためには、地方に元気になってもらわなければなりません。私は、なんだかおまじないみたいな言葉ですが、「産官学金労言」とよく申し上げております。
「産」は産業、その地域において産業に携わる皆様方です。「官」はもちろん市役所、町役場、村役場、そういう役所のことですね。「学」というのは、別に大学に限った話ではない、むしろ、皆さんのような高校生、中学生の皆さん、それをもって「学」と言っております。このビジネスプラン・グランプリのように多くの高校生の皆さん方が地域のことを一生懸命に考えてくれています。中学生もそうです。高校生や中学生は、大人よりも様々なデジタルツールを上手に使いこなしておられますし、大人になると、自分が置かれた立場なんかもあって、これを言うと具合が悪いじゃあないかな、これを言うとあの人が怒るんじゃないかな、ということがありましてね、なかなか意見が言えないこともあるかもしれませんけど、皆さんは率直に素直に意見を言ってくれるんだと思っています。そうした高校生の皆さん、中学生の皆さん方を含めた「産官学」。あと、「金労言」と言いました。「金」は、今日の主催者でありますところの、日本政策金融公庫のような金融機関。地域の金融機関は、地方銀行さん、信用金庫さん、信用組合さんであったりしますよね、「金」。そして、「労」っていうのは、働き方をどう変えていくかなということが大事ですので、労働者の皆さん、労働組合、「労」というのはそういう意味でございます。「言」っていうのは地元の新聞社、テレビ局、あるいはラジオ局、言論の皆さん方のことです。産業に携わる人たち、お役所の人たち、中学生や高校生の皆さん、そして金融機関、働く人たち、そして言論に携わる人たち、そういうような皆さん方が知恵を出し合い、自分たちの地域のことを、どうしたら元気になるかな、そのようなことを考えて、取り組んでいただくことが重要だと、私はそのように信じております。本日の「高校生ビジネスプラン・グランプリ」のような取組も、地域で考えることの一つだと思っています。
過去11回のグランプリに応募されたビジネスプランの中にも、皆さん方の新鮮な感性に基づくアイデアがたくさんあって、その中には地域に根ざして本当に、実際の事業化が進んでいるものもあるというふうに聞いています。
私の地元、鳥取県の鳥取県立倉吉農業高校の皆さん方が、パパイヤが熟す前に収穫して、野菜として調理される、それを特産品にしようというふうに取り組んでいるのですけど、この青パパイヤの普及に関する「TOTTORIパパイヤ普及作戦」は、2022年に行われた、おととしになりますか、第10回大会でベスト20に選ばれておりまして、昨年の前回の大会でもベスト100に選ばれております。
本日、この場にいらっしゃる皆様は、地域や社会の課題に向き合って、自らのアイデアと行動力で解決策を見出した立派な皆さんです。皆さんのような若い人たち、あるいは、女性の方々に、そういう方々が選んでいただけるような、そういう地方にすることが大事だなと、私は思っています。若い方々や女性の方々、そういう方々に選ばれるような地方をつくるためにも、本日のこの会はとても意義のあることだと思っています。これからも様々なアイデアと行動力で地域を元気で、そしてワクワクする、楽しいものにしてくださることを期待しています。
本日開催されます最終の審査会が、このグランプリに参加した全ての皆さんにとって、そして日本の未来にとってのスタートとなって、皆さんの策定されたプランと皆さん自身、そのいずれもが今後一層羽ばたいていかれることを心から期待をいたしております。
この「高校生ビジネスプラン・グランプリ」が、次の時代を担う若い方々の「起業家精神」、その普及の場として、ますます発展されますことをお祈りして、御挨拶といたします。どうぞよろしくお願いいたします。