いしかわ伝統工芸フェア30周年特別展開会セレモニー石破総理ビデオメッセージ
「いしかわ伝統工芸フェア 30周年特別展」が、能登半島地震からの復興支援企画として、多くの関係者の皆様方の御尽力により開催されますことを、お慶(よろこ)び申し上げます。本日は、海外出張中で会場に伺うことができませんので、このような形での御挨拶となりますが、どうぞ御容赦を賜りたいと存じます。
もう一年になります、元旦の家族の皆様、久しぶりでお揃いの団らんの時間を襲った能登を中心としたあの能登半島地震、大きな被害になりました。あれから一年、また、復興の最中にあの大雨が発生しましたけれど、あれからもう3か月がたちました。今年の元旦、輪島市で行われた一周年追悼式典に私も参列をさせていただき、復旧・復興への気持ちを更に強くしたことでありました。二度にわたる災害により犠牲となられた方々、その無念さ、最愛の方を失われた御遺族の深い悲しみ、それに思いを致しますときに、本当に痛恨の極みで、哀惜(あいせき)の念に堪えません。ここに改めて、心から哀悼の誠を捧(ささ)げますとともに、被災された方々全てに心からお見舞いを申し上げます。
内閣総理大臣になりましてすぐに、能登の被災地にお伺いをし、馳(はせ)知事ともいろいろな御相談をしながら、9月の大雨、豪雨、これを激甚災害に指定をいたしました。輪島塗仮設工房の床上浸水などの被害にも全力で対応して、伝統工芸品の道具や、原料・材料、そういうものを確保するために、あるいはもっともっといろんな人に喜んで買っていただく、そういう需要の拡大への取組を、できる限りお手伝いをしてまいりました。
去年の暮には、被災者の皆様方の一日も早い復興のために、令和6年度補正予算、成立をさせていただきました。復旧・復興をできる限り早く成し遂げることが、犠牲となられた方々の御霊(みたま)に報いる道だと、そのように考えております。被災前の、あの活気ある街並み、皆様お一人お一人の笑顔、朝市のあのにぎわい、一人一人の笑顔、あるいは漁村の笑顔、活力、それを取り戻すために、被災者お一人お一人の方々のお気持ちを受け止め、公営住宅の建設、災害廃棄物処理の加速化、そのような生活再建を進めますとともに、被災された事業をなさっておられる方々、そういう方々のお仕事、この再建を一生懸命後押しをしてまいりたいと思います。被災地の創造的復興、なんていう言い方をしますけれど、以前よりももっとよくなったよね、そう言っていただけるような復興のために政府一丸となって取り組んでまいります。
私が10年前、一番最初の地方創生担当大臣を務めたのですが、石川県から御提案を受けて、当時は谷本知事でいらっしゃいましたね、石川県からの御提案を受けて、当時、文部科学大臣だった馳浩さん、今の知事さんです。馳知事と連携をして、金沢に国立工芸館を移転することを決めました。これは、やっぱり馳文部科学大臣がおられて初めてできたことだと思っています。今後とも、全国でも伝統的な工芸品を数多く持っておられる石川県と引き続いて連携をしながら、「文化の地方創生」に向けた取組を進めていきたいと思っています。国立工芸館、大勢の人が新幹線開業の効果もあって来ておられる。本当に金沢に移転してよかったなと思っています。
今年は、大阪・関西万博の年です。国内や、あるいは世界中の皆様方にこの工芸館を知っていただく絶好の機会になります。日本の各地域の歴史、あるいは伝統文化がぎゅっと詰まった伝統的工芸館、工芸品を宣伝して、現代の生活様式や海外のいろいろなニーズも捉えた新たな魅力として、これを世界に発信していきたいなと思っています。関西万博はその大きな契機になります。世界中から大阪の関西万博見に来たよね、そこから金沢に行こうよね、そういうような関西万博と金沢、関西万博と工芸館、このコラボというものを積極的に展開をしていきたいなと思っています。
被災前の活気ある能登を取り戻すために、大勢の方々が頑張っておられます。このフェアが盛大に開催されて、そして御来場になった多くの皆様に能登の復興の「今」が伝わりますことを心から願いまして、私の御挨拶といたします。どうぞ本当に盛大なフェアとなりますように。ありがとうございました。