Nomura Investment Forum 2024 石破総理ビデオメッセージ
内閣総理大臣の石破茂です。
本日、国内外の金融資本市場の関係者の皆様方の御尽力により、第27回目の野村インベストメント・フォーラムが開催されますことを心よりお慶びを申し上げます。おめでとうございます。この開会に当たりまして、御挨拶を申し上げます。
日本経済は、企業収益や国内投資が過去最高となりました。33年ぶりの高い水準の賃上げを実現することになりました。今までのコストカット型経済から、言葉は難しいのかもしれませんが、高付加価値創出型経済に移行する大きなチャンスを迎えております。
この移行に向けて、地方こそ成長の主役との考え方に基づき、地方創生の取組を再活性化し、地域資源を中心とした新しい価値の創造に取り組んでまいります。また、人材の価値であります賃金の向上、投資立国の実現を通じた付加価値生産性の向上にも取り組んでまいります。
金融面におきましては、前岸田内閣が進めてきた「資産運用立国」の政策を着実に引き継ぎ、更に発展をさせてまいります。
足元では、本年1月より開始されました新しいNISA(少額投資非課税制度)制度の下で、「貯蓄から投資へ」の動きが着実に広がっております。
特に、20代・30代の若い方々におかれまして、口座開設数が大きく伸びているのは、投資が一部の豊かな方、富裕層の方々のためだけではなく、広く資産形成に用いられている心強い動きだと思っております。
今後とも、より幅広い層の安定的な資産形成を支援するため、NISAの手続の更なる簡素化や合理化に取り組みますとともに、金融経済教育の充実を図ってまいります。
あわせまして、私的年金制度の充実に向けまして、iDeCo(個人型確定拠出年金)や企業年金の改革を着実に進めてまいります。
投資の流れを確かなものとしますためには、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を促し、日本企業の魅力を高めることも重要です。
コーポレート・ガバナンスの改革をより実質的なものとすることにより、企業の統治・経営の改革を強化して、持続的・構造的な賃上げと企業による投資を推進していきたいと考えております。
さらには、投資成果の国民の皆様方への還元が適切になされますよう、受益者等のために資金を管理・運用する年金や保険、学校法人等のいわゆる「アセットオーナー」の機能強化を図るとともに、家計や「アセットオーナー」から資金運用を委託される資産運用会社の運用力の向上を促してまいります。
あわせて、社会課題解決に向けた投融資、スタートアップに対する投資といった、まだ十分に発達の余地がある、そのような分野への資金供給を促進することを目指してまいります。
こうした様々な改革に果断に取り組むことで、日本経済や金融資本市場の更なる発展に貢献をいたしてまいります。その際、国内外の金融関係者の皆様との連携、コミュニケーションを図ることが極めて重要だと思っております。
本年10月にはこうしたコミュニケーションの場として、「資産運用フォーラム」を立ち上げたところですが、ここに御参会の皆様方の御参加もいただきながら、「資産運用立国」の実現に向けた施策を前に進めてまいりたいと思っております。
本日のフォーラムが皆様にとって実りあるものとなりますことを祈念して、私の御挨拶といたします。ありがとうございました。