経済財政諮問会議
令和6年12月3日、石破総理は、総理大臣官邸で令和6年第15回経済財政諮問会議を開催しました。
会議では、令和7年度予算編成の基本方針及び持続可能な地方行財政・社会保障に向けて議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「令和7年度予算につきましては、本日答申をいただいた予算編成の基本方針に基づき、令和6年度補正予算と一体として編成をしてまいります。
地方行財政については、地方創生の再起動に向けて、資料3にある鹿児島県伊仙町の取組の紹介がありました。先日の所信表明演説でも申し上げましたが、町長が集落を回り、町の財政状況を丁寧に説明してまわられたそうです。その結果、高齢者から、子供たちのためにもっとお金を使ってほしいとの御意見が出て、出産や子育て環境を充実させ、平成15年から24年までの間、合計特殊出生率日本一となりました。そうして、15歳未満人口の増加につなげました。このように、地方自らが考え、動き出すことが重要であります。地方創生2.0では、そのような動きを、国は支えてまいります。また、効果検証を行い、政策目標を明確にして、交付金や規制改革、税制等のトータルパッケージで取組を進めるべきである、人口動態は、自治体や地域ごとに異なるため、長期的な地方経済・財政の推計を示しながら、きめ細かい対応を図るべきである、といった、御指摘もいただきました。
本日の御指摘につきましても、今後、地方創生の基本構想や骨太方針に向け、引き続き議論を深めてまいります。
防災・減災も喫緊の課題であります。かつて後藤田正晴先生が『天災は防ぐことはできない。しかし、その後に起こることは全て人災である。』とおっしゃいました。住んでいる地域にとって、被災された方々が被る困難に違いがあってはなりません。全ての避難所で、避難所の満たすべき基準を定めたスフィア基準(人道憲章と人道支援における最低基準)を、発災後早急に満たすことができるよう取り組んでまいります。ハザードマップが知られていないというデータの紹介もありました。ハザードマップは平時における事前防災や緊急時における防災体制にも重要であります。ソフト・ハード両面で取組を進めてまいります。
社会保障制度改革は、国民の安心・安全の確保やそれを通じた経済の成長にも重要です。
給付費の対GDP(国内総生産)比を抑制し、制度の持続可能性を確保するため、給付と負担の改革を継続いたしてまいります。来年度予算におきましても、骨太2024に沿って、賃金や調達価格の上昇に対応するとともに、DX(デジタル・トランスフォーメーション)、予防・健康づくり、制度改革等を進め、給付費全体の伸びを抑制する必要があります。
福岡大臣におかれては、本日の議論を踏まえ、社会保障制度改革を着実に進め、特に年収の壁への対応を含め、働き方に中立的な制度の構築に向けた年金制度改革や新たな地域医療構想を始め医療・介護提供体制の課題について、来年の通常国会への法案提出に向けて、結論を得るべく検討を進めてください。
これらの取組を通じて、客観的なデータに基づくワイズスペンディングを徹底し、力強く発展する、危機に強い強靭(きょうじん)な経済・財政を作っていくための改革を推進してまいります。」