日銀総裁との会談及び日韓、日豪各首脳電話会談についての会見
本日、私が総理に就任をしたことを機に、植田日銀総裁と、経済、物価、金融情勢について、意見交換を行ったものであります。私ども政府と日本銀行は、2013年1月だったかと思いますが、共同声明を発出したところであります。これに沿いまして、引き続きデフレからの早期脱却、持続的な経済成長実現に向け、政策運営に万全を期すものであります。また、市場の動向に緊張感を持ち、かつ冷静に注視をしていくとともに、市場とも丁寧にコミュニケーションを取っていく。このために、互いに緊密に連携するということを確認したものであります。
総裁からは、金融政策は極めて緩和的であり、我が国の経済をしっかりと支えていきたいと。経済物価の見通しが実現していけば、金融緩和の度合いを調整していくことになりますが、政策判断に当たっては、内外の金融市場や経済の状況を見極めていく必要があり、そうした時間的な余裕はあるといった、現在の金融政策の考え方について御説明がございました。
今のは、植田総裁がおっしゃったことでありますが、私といたしましては、これは私が申し上げたことでございますけれども、デフレの脱却に向け、前総理、岸田総理が進めてこられた経済政策を引継ぎ、まずは経済対策の策定などにより、強靭(きょうじん)な経済を実現していきたいと。また、投資資金の流れが国全体の経済の成長をもたらす、投資大国の実現に向けて取り組んでいくということを説明したところでございます。
引き続きまして、政府と日本銀行で密接に連携し、経済財政運営に万全を期してまいりたいと、このように考えておるところでございます。植田総裁との会談につきましては以上であります。
(日銀総裁と会談を行った今、日銀の追加の利上げについてどういった考えかについて)
日銀の政策について、政府としてあれこれ指図をするような立場にはございません。引き続き連携を密にしながら、日本経済が発展していくように、というふうに考えておるところでございます。ただ私は、個人的には、現在、そのような環境にあるとは思っておりません。追加の利上げをするような環境にあるとは考えておりません。
これから先も、緩和基調というものを維持しながら、経済が持続的に発展していく、デフレの脱却に向けて、これから先、経済が推移していく、そういうことを期待しておるということは総裁に申し上げたところでございます。今、御指摘のようなことを、どなたが、どのような場面で、おっしゃっておられるのか、私自身は承知をいたしておりませんが、そういうような報道があることは承知をいたしておりますけれども、私自身としてそのようなことを考えているわけでは全くございません。
(日韓、日豪各首脳電話会談について)
今朝、バイデン(アメリカ)合衆国大統領と電話会談をいたしました。これはこの場で申し上げた通りでございますが、本日は、大韓民国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、あるいはオーストラリアの首相と電話会談を行ったものでございます。
その中で、尹錫悦大統領との会談について申し上げますと、岸田前総理と、尹錫悦大統領との間で、日韓の関係は、「劇的に」という言葉を使ってもよいと思いますが、進歩いたしました。あるいは合衆国、我が国、そして韓国、三か国の連携というものも格段に進歩し、地域の平和と安定に大きく資するものであったというふうに承知をいたしております。
私の方からは、これを引き継ぎ、更に発展させ、日韓の協力というものを更に密なものにしていきたいということを申し上げ、また、日米韓三か国の協力も、更に強固なものにしたいということを申し上げました。
尹大統領からも、同じような御発言がございまして、もしASEAN(東南アジア諸国連合)(関連首脳会議)に行くようなことがあれば、私は行きたいと思っておりますが、国会との関係もございますし、今のところ、私の願望を申し述べておるところでございますが、尹錫悦大統領、あるいはオーストラリアのアルバニージー首相との間で、実際に会っていろんな話ができるということについて、非常に期待を持ち、お互いにそのような思いを持ったところでございます。
韓国、あるいはオーストラリア、私の総理就任に、お祝いもメッセージで頂戴したところでありますので、更にこの関係を密なものにしてまいりたいと考えておる次第でございます。
(会談でアジア版NATO(北大西洋条約機構)の言及があったかについて)
今日のところはいたしておりません。今日は向こうから、お祝いのメッセージを頂いたと、それに対するお応えを私の方から申し上げたということで、政策の具体論については、全く言及をいたしておりません。