第１回資産運用フォーラム年次会合　石破総理ビデオメッセージ

　内閣総理大臣の石破茂です。本日は、ブルームバーグや日米を代表する資産運用会社の御尽力により、第１回「資産運用フォーラム」年次会合が盛大に開催されますことを心よりお慶（よろこ）び申し上げます。
　岸田総理におかれては、デフレ経済からの脱却、成長型経済への移行に向け、｢成長と分配の好循環｣を実現しようと、資産運用立国に向けた取組を精力的に推進されました。
　また、その改革は、本日御参加の金融機関の皆様ともコミュニケーションをとりながら、進められたと承知いたしております。
　この度の石破政権におきましては、この「資産運用立国」の政策を着実に引き継ぎ、更に発展させるとともに、これに加え、地方への投資を含め、内外からの投資を引き出す「投資大国の実現」を経済政策の大きな柱の１つといたしております。
　すなわち、「資産運用立国」により新しく形成され始めた投資資金の流れが、特定の投資家や企業・分野だけではなく、国全体の経済の成長や家計部門への還元をもたらすよう取り組んでまいります。
　このため、より幅広い層の家計が長期安定的な資産形成を実現するとともに、企業の統治・経営の改革を強化して持続的・構造的な賃上げと投資を促進し、また、社会課題解決に向けた投融資、スタートアップに対する投資といった、まだ、十分には発達していない分野への資金供給を促進することを目指します。
　これらの政策と併せて、物価高対策、労働市場改革、物価に負けない、物価の上昇に負けない賃上げの定着等を実施し、「賃上げと投資が牽引（けんいん）する成長型経済」を目指します。
　我々は、この政策により、日本経済の未来の創造と、一部ではない幅広い国民お一人お一人の豊かさを実現していくために、長期的に共に歩んでいただける投資のプロフェッショナルのパートナーを求めております。
　そのためにも、マーケットや金融機関関係者の皆様とのコミュニケーションが極めて重要であります。
　本日、ここに｢資産運用フォーラム｣の設立を宣言するとともに、フォーラムが、そのコミュニケーションの場として発展していくことを祈念いたしております。
　こうした「投資大国の実現」に向けた取組により、日米を始め、自由、民主主義、法の支配、市場経済といった普遍的価値を共有する国々との間で、投資の流れとウィンウィンの関係が更に強固なものになっていくことを期待しまして、私の開会の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。