新しい地方経済・生活環境創生本部
令和6年11月8日、石破総理は、総理大臣官邸で第1回新しい地方経済・生活環境創生本部を開催しました。
会議では、新しい地方経済・生活環境創生本部及び今後の検討方針について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「『地方の未来を創り、地方を守る』、『地方こそ成長の主役』との考え方に立ちまして、地方創生2.0を起動させることは、私どもの内閣の最重要課題の一つであります。地方と都市の結びつくことによりまして都市部の方々にとりましても仕事や学び、余暇を含めた暮らし、人生の選択の幅が広がることになります。
まず、これまでの10年間の成果と反省をいかさなくてはなりません。私も初代地方創生担当大臣ではありますが、この反省というのは何だったのかということをよく検証しなければなりません。全てがうまくいったとは全く思っておりませんので、何がうまくいかなかったのかという反省をきちんといたしませんとこれから先の展望はないと思っております。
閣僚の皆様方からも、何度もこの言葉をお使いいただきましたが、『産官学金労言』というのはおまじないみたいな話がありますけれども、これは商工会議所でありですね、商工会であり、その地域において産業に携わる方々、官というのは市役所であったり、町役場であったり、村役場であったりします。お役所。
学というのは俺の町では大学なんかないぜみたいな話があると思うのですが、そうではなくて、全国を回ってますと中学生が一生懸命考えている、高校生が一生懸命考えているところたくさんございます。その中学生や高校生はパソコン上手に使いますし、大人になりますとこれは親父さんが怒るんじゃないかとかですね、そういう遠慮があって、なかなかうまく意見が言えないこともあるようですが、中学生・高校生も含めました産官学。
金というのは信用金庫であったり、信用組合であったり地方銀行であったりしますが、そういうほうがビジネスとネットワークは持っておりますので、金融機関の知恵というのは必要だと。(産官学金)労というのは労働組合でございます。これはあったりなかったりいたしますが、(産官学金労)言というのは地元のテレビであり、地元の新聞であり、地元のラジオであり、そちらの方がよく知っている場合はたくさんあるわけで、そういうような関係者の方々も、そういう御意見を十分に引き出してやっていくようなシステムが動いているかどうかだと思っております。
私も反省なんですけれども、ある町ならある町で『産官学金労言』はいいんですが、一回集めて御意見聞いて、それでおしまいみたいなことが結構あってですね、結局そのいろんなプランは東京のコンサルに頼みました。A町をB町に変えても中身一緒ということが結構あってですね、これは非常にまずいんだろうと思っております。
この本部におきましては『産官学金労言』からなります有識者会議を立ち上げるとともに、地域で頑張っておられる方々など、現場の皆様方の声をよく聞きながら、基本的な考え方は年末までに取りまとめたいと思っておるところでございます。
若者・女性にも選ばれる地域をどうやってつくるか極めて重要でありまして、これよく言われる例でありますが、島根県隠岐諸島にございます海士町(あまちょう)というところがあります。海の士(さむらい)と書きますが、海士町での島留学をきっかけとした人口増と人口構成の若返り、大分県での女性の働き方改革・スキルアップ支援、熊本県での半導体投資による賃金上昇、地域経済全体の活性化など、それぞれの地域の好事例につきましても、その成功要因を分析し、これをどうやったら普遍化できるか、ある所がうまくいっているんだけれども、それがどうも普遍化しない、過疎地のバスでうまくいっている例はこれ、鉄道でうまくいっている例はこれ、旅館でうまくいっている例はこれ、全部あるんですけど、それが普遍化しないんです。例を知らなかったり、どうせカリスマ経営者がいるからだよ、うちにはできないよみたいな話をですね、普遍化しないのは実にうまくないと思っておりまして、どうすれば普遍化できるかにつきましても御議論賜り、方向性を見いだしたいと思っております。
当然のことでありますが、縦割り、バラマキは排します。各省庁連携して施策を統合化、重点化いたします。そのために令和7年度予算では、倍増を目指して質・量共に大幅に充実させますが、金額だけ増やしたということでは何の意味もないので、そこにおいてどうやって統合化し重点化し、バラマキになるという御批判を受けないようにしたいというふうに思っております。
今般の経済対策におきましても、農林水産業、観光産業等の高付加価値化、日常生活に不可欠なサービスの維持向上、新技術を活用した付加価値創出等の取組を支援してまいります。これに地方創生交付金を前倒しで措置して活用していただきたいというふうに考えております。
伊東大臣を中心として、閣僚の皆様、新地方創生会議有識者の皆様方には、各地の現場をできるだけお訪ねをいただきたいと思っております。行って見てみると、『ああそうなんだね』みたいな気づきがたくさんございますので、できればですね、現場を訪れていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
私も先頭に立ちまして、この地方創生、一丸となって実現をしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。以上であります。」