愛知県訪問等についての会見

更新日:令和6年7月8日 総理の演説・記者会見など

(本日の視察の狙い及び今後この視察の結果をどのように政策に反映していくか、また、4月の水循環政策本部会合でこの夏めどの改定を指示した水循環基本計画の検討状況について)

 まず、本日は、上下水道DX(デジタル・トランスフォーメーション)、そして、官民連携による流域総合水管理、この二つの観点から先進的な取組を進めておられる豊田市の上下水道局、そして矢作ダム、これを視察させていただきました。
 まず豊田市では、インフラ老朽化、あるいは人手不足、こうしたことが社会課題となる中で、人工衛星とAI(人工知能)を活用して、水道管の維持管理を実現する、こうした取組について説明を受けました。デジタルの力で、これまで徒歩で網羅的に行っていた漏水調査を、時間と費用を10分の1に効率化させる、こうした取組、説明を受け、そして、その効果を実感させていただきました。そして、この取組は、正に昨年のDigi田(デジでん)甲子園の中で最も高く評価されて優勝された、こういった取組でもありました。このシステムを始め、導入すれば、メンテナンスの効率化を抜本的に向上させる、こうしたことが可能となる上下水道DX技術のカタログを本年度中に策定したいと思っています。そして、今後5年程度で標準装備を進めていきたいと考えています。そしてあわせて、能登半島地震での上下水道の甚大な被害、これは我々、年初から経験をしたわけでありますが、このシステムの急所、すなわち、この施設が機能を失うとシステム全体が機能を失う、こういった最重要施設、さらには避難所等の重要施設、こうしたものに係る管路等の耐震化状況の緊急点検を開始し、10月までに完了してまいります。また、水道の耐震化計画、現状7割にとどまっている、このことを踏まえて、上下水道行政の国土交通省への一元化を機に、今年度内に全ての自治体において、上下水道耐震化計画の策定更新、これを進めてまいります。
 そして次に、矢作ダムを含む矢作川水系では、官民連携によって、流域の関係者一体となって、流域治水、水力エネルギー活用、そして流域環境の取組、これらが総合的に進められています。これまで流域全体で治水ダム、利水ダムの垣根を超えた事前放流などの流域治水を進めてきましたが、今後は、この矢作川水系の取組を全国展開し、PPP(官民連携事業)などの官民連携で、AIやデジタルを活用し、流域総合水管理を深化させてまいります。このために、平常時、そして洪水時を通じて、流域単位で観測データと予測データの総合的共有を令和7年度中に実現するべく、来年度予算に反映していきます。そして同時に、全国に109ある全ての一級水系において、AIやデジタルを活用して災害リスクの最小化、そして水力エネルギーの最大化、そして豊かな環境の最大化、こうしたものに総合的に取り組んでいきたいと考えています。そして、こうした取組による水力エネルギー増強の議論を、今年度中をめどに見直すエネルギー基本計画、この見直しの中で進めていきたいと思います。
 そして質問にありました水循環基本計画ですが、この計画の改定に向けては、4月に御指摘のように私が指示を出したわけですが、有識者と議論を重ねてきており、8月をめどに、本日の上下水道DX、上下水道耐震化、そして流域総合水管理、これらを全面的に盛り込んだ上で改定し、その内容を来年度予算に反映していきたい、このように考えています。以上です。

(愛知県などと進めている矢作川カーボンニュートラルプロジェクトの狙いと効果、今後どのように事業を進めていくか、また、おととし発生した明治用水頭首工の大規模漏水事故で地元に大きな影響が出たが、こうした水インフラの老朽化の課題に対してどのように対策していくのかについて)

 まずは、御指摘の愛知県が取り組んでいる矢作川・豊川カーボンニュートラルプロジェクト、これは、水の持つエネルギーを最大限に活用するとともに、上下水道一体として、再エネ創出、省エネに取り組むことで、官民連携により、カーボンニュートラルの実現を目指す、こうしたプロジェクトですが、政府としても、国土交通省を始め、関係省庁が協議会に参加して進めている、こうした取組でもあります。政府としては、この先駆的なプロジェクト、県と共に取り組むとともに、この取組を全国の1級水系で展開し、流域総合水管理を進めていきたいと考えています。また、高度成長期以降に集中的に整備し、そして老朽化が進んでいる水インフラについて、事後保全型から予防保全型面メンテナンスに転換していかなければならないと思っています。今回取り上げたように、官民連携により、デジタルの技術を積極的に導入しながら、上下水道、そして、工業用水、農業用水など、水インフラ全般にわたり、一元化・広域化を進め、老朽化対策を効率的、そして効果的に推進していく、こうした取組を進めていきたいと考えています。以上です。

(昨日東京都知事選・都議補選が投開票されたが、都議補選で自民党の議席を大きく減らしたことに対する党総裁としての責任及び9月の総裁選への出馬に対する考えについて)

 まず、東京都知事選挙については、小池知事が、政府とも連携しながら取り組んできた様々な取組が評価されたものであると受け止めています。そして、御指摘の東京都議会議員の補欠選挙の方ですが、都議の補選はそれぞれの選挙区における地域の課題について議論が行われるものであると考えていますが、ただ結果については、これは真摯に受け止め、そして今後にいかしていかなければならないと考えています。そして、総裁選挙について御質問がありましたが、これについては従来から申し上げておりますように、今、政治改革を始め、経済あるいは外交など、先送りできない課題に全力で取り組んでいかなければならないと考えています。こうした課題について結果を出すこと、これに今、専念しており、それ以外のことについては考えていない、これは従来から申し上げている通りであります。

(都議補選での総理の責任はどのように考えているかについて)

 ですから、これは真摯に受け止め、今後につなげていきたい、このように考えております。

関連リンク

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