日本銀行のマイナス金利政策解除等についての会見

更新日:令和6年3月19日 総理の演説・記者会見など

 先ほど、日銀植田総裁と会談をさせていただきました。その中で、本日の金融政策決定会合について説明を受けました。説明は、物価と賃金の好循環を確認し、持続的・安定的に、2パーセントの物価安定の目標が実現していくことが見通せる状況に至ったと判断した上で、これまでの異次元の金融緩和政策は役割を果たしたとして、マイナス金利政策の解除を含む、金融政策の変更を行った旨の説明でありました。
 先週、春闘の第1回集計において、賃上げ5.28パーセント、昨年を上回る数字、また33年ぶりに5パーセントを超える数字が示されました。過去最大規模の100兆円の投資ですとか、4四半期連続の企業収益の増加ですとか、就任以来、重点的に取り組んできた賃上げ、投資、また企業の稼ぐ力に前向きな動きが見られます。
 このような情勢を踏まえて、政府としては、10年以上にわたって続いてきた異次元の金融緩和政策について、現下の情勢を踏まえた新たな段階へ踏み出すと同時に、前向きな経済の動きを更に確実なものとする観点から、緩和的な金融環境が維持される、こういったことになったことについては適切であると考えています。その上で、政府と日銀、引き続き緊密に連携していかなければなりません。経済物価動向に応じて、機動的な政策運営を行っていくことを、植田総裁とも確認をいたしました。
 政府としては、デフレからの完全脱却と新たな成長型経済への移行に向けて、あらゆる手段を総動員していきたいと考えています。冒頭、私からは以上です。

(政府と日本銀行とのアコード(共同声明)を改定するか、また、デフレ脱却宣言を出すかについて)

 まず、アコードについてですが、2013年、共同声明、出されました。この共同声明に沿って、政府もデフレ脱却のため、全力を尽くしてきました。そして、新しい資本主義の下での様々な取組もあいまって、成果が上がりつつあると認識をしています。この前向きな経済の動きを踏まえ、政府としては、10年以上にわたって続いてきた異次元の金融緩和政策について、現下の情勢を踏まえた、新たな段階へ踏み出すと同時に、前向きな経済の動きを更に確実なものとするとの観点から、緩和的な金融環境が維持されることとなったことは適切であると考える、先ほど申し上げたとおりですが、現時点において、このアコードを見直すことは考えておりません。
 そしてもう一つは、デフレ脱却宣言、これについても、デフレ脱却というのは、物価の基調や背景、これを総合的に判断していく、こうしたものであります。消費者物価、GDPギャップといった指標、賃金上昇、企業の価格転嫁の動向、また物価上昇の広がりなど、幅広い角度から総合的に判断するものであると考えています。ですから今日、日銀の判断は示されましたが、デフレ脱却宣言は、先ほど申し上げたような総合的な判断を行わなければならないと思っております。

(マイナス金利政策解除を受けて為替は円安に振れたが、植田総裁との会談で為替についてやり取りしたかについて)

 会談の中で、為替について何かやり取りしたかということですが、為替については、特段やり取りはしておりません。

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