グローバル・ゴールキーパー賞授賞式 岸田総理スピーチ
メリンダ・ゲイツ共同議長、そして、ビル・ゲイツ共同議長、御出席の皆様方、本日、日本の総理大臣として、グローバル・ゴールキーパー・アワードを受賞したことを誠に光栄に思います。尊敬するビル・ゲイツ共同議長と1年ぶりに再会を果たす機会が、このような栄誉ある授賞式であることに深い感慨を覚えています。
まず始めに、創設以来「全ての生命(いのち)の価値は等しい」との信念の下、国際保健分野を中心として「全ての人が健康的で生産的な生活を送れるように支援を行う」ということを使命として果たされてきたゲイツ財団に、改めて敬意を表し申し上げます。
本年は持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた中間年ですが、その達成は危機に瀕(ひん)しています。こうした中で、SDGs達成に向けた取組を加速させることが、これまで以上に求められています。特に、国際保健は人間の安全保障を実現する上で不可欠な分野です。新型コロナウイルスによるパンデミックは、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の重要性を改めて浮き彫りにいたしました。
本年5月のG7広島サミットでは、国際保健分野に関し、将来の健康危機への予防・備え・対応(PPR)の強化に資するグローバルヘルス・アーキテクチャーの構築・強化、より強靱(きょうじん)、より公平、そして、より持続可能なUHCの達成への貢献、ヘルス・イノベーションの促進を軸に議論を行いました。また、日本として、官民合わせて75億ドル規模、G7としては480億ドル以上の資金貢献を行うことを表明いたしました。
国際保健課題を始めとする地球規模の課題の解決には、資金面も含めて、民間セクターのより一層の貢献が必要不可欠です。その意味においても、ゲイツ財団のますますの御活躍を期待しています。日本政府としても、2030年までのSDGs達成に向け、より緊密に連携していきたいと考えています。
両共同議長を始め本アワードの関係者の皆様に改めて御礼を申し上げます。この栄誉は、私一人の力ではなく、日本国民始め、共に歩んできたパートナーである御出席の皆様方のお力添えがあってのものです。ありがとうございました。