日・UAEビジネス・フォーラム岸田総理スピーチ
御列席の皆様、アッサラーム・アライクム。
皆様におかれましては、日頃から日本とUAE(アラブ首長国連邦)の両国の経済関係の発展に御尽力いただいておりますこと、心から感謝を申し上げます。
UAEは、エネルギー安全保障上、我が国にとって重要な戦略的パートナーであり、「包括的・戦略的パートナーシップ・イニシアティブ(CSPI)」の下、昨年のドバイ万博や、外交関係樹立50周年における協力を通じ、スタートアップや宇宙などの分野も含め、両国の関係が飛躍的に進展していること、大変嬉(うれ)しく思っております。
UAEには、約350社の日本企業、そして4,000人を超える在留邦人が存在し、昨年のUAE一般旅券所持者を対象とした、査証免除措置の導入や、今年のエティハド航空関空便の新規就航等も踏まえ、両国の往来が一層活発化することが期待されます。
本日、29名のCEO(最高経営責任者)級を含む、日本企業の皆様に経済ミッションとして同行いただきました。これまでの、そしてこれからの両国関係の飛躍的発展は、本日出席されている、両国の政府・ビジネス関係者の皆様の尽力抜きに語ることはできません。
私は本日、ムハンマド大統領とお会いし、次の50年に向けて、両国の協力関係を新たな次元に引き上げるべく議論を行いました。
今後、クリーンエネルギー、グリーン素材、半導体、電池、宇宙といった先端技術分野や、スタートアップ、医療・ヘルスケア、教育、文化交流といった分野での協力を一層拡大していく考えです。
また、本年UAEではCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)が開催されます。脱炭素社会の実現に向け、現実的なエネルギー移行とイノベーションの加速化を進めていくべく、日本とUAEが協働を一層強め、戦略的なパートナーを進展させていくことを期待しています。
日本は「日・UAEイノベーションパートナーシップ構想」や、UAEを含む中東を、クリーンエネルギー・脱炭素のグローバルなハブとするための「グローバル・グリーン・エネルギー・ハブ構想」を進めています。そして、日本とUAEが共同で、インド太平洋、そして世界に広げていく「グローバル・グリーン・ジャーニー」に乗り出そうではありませんか。
日本政府は、両国間の投資促進等を、積極的に後押ししてまいります。UAEの官民指導者におかれては、次なる50年を見据えた経済多角化と産業発展の実現のため、日本の力を是非活用していただきたいと思います。
本ラウンドテーブルが、日本とUAE両国のさらなる発展と、そして繁栄のための有益な機会になることを心から期待しております。
御清聴、誠にありがとうございました。